[コメント] 素晴らしき哉、人生!(1946/米)
驚異的な跳躍力でもって到達する映画美の極みここにありなGOODムービー
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まさにラストスパートの勝利がそれまでの凡々とした印象のロードワークを彼方へと追いやる奇跡的な感動に包まれる傑作。映画はドラマティックに有終の美を飾って比類なき高みへと到達する。ラストシーンのジェームズ・スチュアートが幸福を手中に微笑む時、これまで退屈な印象が拭えず懐疑的に観ていたキャプラの演出にも「これでいいのだ」と判を押したくなる不思議な力を見せる着地であった。やはり何より映画が俄然色めき立つのは天使クラレンスが登場してからの30分である。それまで何の印象もみせなかったキャプラのプロダクションワークがいきなり始動する。シリアスな状況の中にも諧謔を滲ませてスラップスティックな躍動感を与えるレトリック、得意のロケーション撮影で魅せる街並のパースペクティブ、位置する空間、対峙する人物に配するライティングの明と暗、そしてここでもティオムキンのサウンド効果は絶妙な味わいを醸し出して秀逸だ。映画は万華の真髄を見せた逸品。
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