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赤い戦車さんのお気に入りコメント(30/49)

松ヶ根乱射事件(2006/日)★4 かつての日本では、この物語は地方の土着性の問題として語られていた。だが、バブル経済崩壊後のこの国には最早それは存在しない。人間の欲望は土着という拠りどころを失い浮遊する。だから山下敦弘らが描く倦怠と焦燥は、暴力と非暴力の狭間に置き去られる。 [review] (ぽんしゅう)[投票(10)]
ブレードランナー(1982/米)★5 自分が誰であるか。「おもいで」と「愛」をかき集めるレプリの姿に決定的に心打たれる。「わたし」を根拠づける記憶や彼を記憶する者達が破壊される時、人は自分が誰であるかを見失う。まっさらな状態に差し戻された孤独な肉体を酸の驟雨に晒し、「生きている」という感覚を得るため刹那の戦いに臨むハウアーフォードの歴史的死闘。物語から深遠な光景を引き出すスコット演出も最高水準。 [review] (DSCH)[投票(5)]
LOVERS(2004/中国=香港)★5 まず、つっとすばやくひと筋、そのあとゆっくりと哀しみの感情を再確認するようなひと筋。チャン・イーモウ美学の精華ともいえる「涙」の文法を金城武チャン・ツィイー の巧緻な彫刻のような顔が完璧に描き出して見せる。 [review] (ジェリー)[投票(3)]
おとなのけんか(2011/仏=独=ポーランド)★4 理屈が感情で勢いづくと、言い分が言いがかりになる。演技巧者が繰り広げる、そんな売り言葉に買い言葉の応酬が可笑しくてしょうがないのは、我々観客が、この深刻な事態の当事者ではなく、ずっと傍観者のままで居続けられるから。それが、ポランスキーの技。 [review] (ぽんしゅう)[投票(10)]
ミュンヘン(2005/米)★3 緊張感のあるシーンが沢山あると思う。ホテルの女にまつわる顛末や情報屋ルイ−マチュー・アマルリックのキャラ造型も印象深い。しかしラスト近くのセックスシーンのクロスカッティングは一体なんなんだろう。観客に隠喩を押し付けても構わない。しかし画面として品が無いことこの上ない。『A.I.』のジャンクフェアを思い出した。 (ゑぎ)[投票(4)]
ミュンヘン(2005/米)★4 ジャン・ピエール・レオみたいなヤサ男がバンデラスの形相になるまでの物語 [review] (ペペロンチーノ)[投票(14)]
ランジェ公爵夫人(2007/仏=伊)★4 単なる恋愛劇ではない。個人の魂の間での、革命的、宗教的闘争。 [review] (煽尼采)[投票(5)]
ブロークン・フラワーズ(2005/米)★3 まだ見ぬ父を探しに出たらしいまだ見ぬ息子を探す父、という、二重の捜索、二重の不在。 [review] (煽尼采)[投票(3)]
ブロークン・フラワーズ(2005/米)★4 手紙の映画。老いと死のロードムービー。老いはビル・マーレイ以上に女優達への演出で現れる。ジュリー・デルピーシャロン・ストーンはまだ現役という役柄だが、フランセス・コンロイともどもヤッパリ痛々しい。しかも最大限に美しく撮られているから痛々しさに輪をかける。 [review] (ゑぎ)[投票(5)]
ブロークン・フラワーズ(2005/米)★4 冒頭、手紙が投函され配達されるまでの無人ショット群。この理不尽な面白さ! 周到さといいかげんさをほどよく併せ持ったジャームッシュの演出はほとんど名人の域に達している。撮影フレデリック・エルムズとのコンビ作としては今までで最高の作品だろう。豊かな(=無駄な)細部に彩られた無駄な(=豊かな)話。 [review] (3819695)[投票(2)]
ドッグヴィル(2003/デンマーク=スウェーデン=仏=ノルウェー=オランダ=フィンランド=独=伊=日=米)★5 舞台劇のような形式だけど、舞台から一定の距離を保つ客席からでなく、舞台の中で動き回るカメラを通して見る事で、その形式=約束事の奇妙さが覗けて見えるのがミソ。 [review] (煽尼采)[投票(6)]
デイブレイカー(2009/豪=米)★3 ヴァンパイアが人間を「飼う」という設定には惹かれるものがあったが、どう落とすかという点において自信がないように見えた。 [review] (Master)[投票(5)]
デイブレイカー(2009/豪=米)★4 えげつない描写にはちょっと辟易するが、基本となるアイディアを丁寧に仕上げて一つの世界をつくり上げていく手法には好感が持てる。 [review] (シーチキン)[投票(4)]
リミッツ・オブ・コントロール(2009/スペイン=米=日)★5 人が歩いてくる、人が座っている、遠くを眺めている、そんないちいちが甘美に謎めく、「映画」という単純な不思議。静かに響き始めるノイズと、かすかなスローモーションとが誘う陶酔。老練の生み出した初々しさに驚嘆する。(2011.10.25) [review] (HW)[投票(3)]
リミッツ・オブ・コントロール(2009/スペイン=米=日)★5 初めてジャームッシュの本当の本気を見た思いだ。絵画的に突き詰められた「ショット」の映画。ショットの映画を目指すなどということ自体が時代錯誤の振舞いなのだと批判する向きは当然あるだろう。しかし古典に学びつつ常に最新型の映画を提示しつづけてきたジャームッシュの選択を軽く見ることはできない。 [review] (3819695)[投票(4)]
リミッツ・オブ・コントロール(2009/スペイン=米=日)★5 他人の個性をも受け入れてなお且つ自分のスタイルの映画に仕上げたジャームッシュの終わらない映画への探求心に今回もまた圧倒された2時間。 [review] (ナム太郎)[投票(3)]
ヒューゴの不思議な発明(2011/米)★3 映画オマージュだろ?知ってる知ってる。あの機械人形は学天則だろ?実相寺昭雄『帝都物語』の。 [review] (ペペロンチーノ)[投票(5)]
ブラッド・ワーク(2002/米)★3 交換と接続。製作年を一瞬疑わせるような演出の古典的な安定性が、錆びれた風味を感じさせる。イーストウッドの引き締まった表情は、情念のドラマとしての躍動性よりも、研ぎ澄まされたドラマの持続を演出する。 [review] (煽尼采)[投票(1)]
みな殺しの霊歌(1968/日)★4 加藤泰の描く情念の世界が、どこかおかしな方向に突き抜けてしまった異形のサスペンス。台詞で語られる倍賞千恵子と兄のエピソードは、寅さんのダークサイド版とも言うべき怖さがある。この陰惨なムードだけでも凄い。 (太陽と戦慄)[投票(2)]
ドラゴン・タトゥーの女(2011/米=スウェーデン=英=独)★4 ひたすら面白くてワクワクする間がないという感じ。 [review] (おーい粗茶)[投票(5)]