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[コメント] イントゥ・ザ・ストーム(2014/米)

視点が無い。だからPOVと誰の視点か分からぬフィクスや移動ショットを1シーン内に平気で繋げてしまう(これが考えに考え抜いた結果の編集というのなら話は別だが、そんな形跡はどこにもない)。どちらかに統一すべきだとかそういう次元の問題ではない。視点をどこに置くか、何故他の位置ではなくカメラをそこに置いたのかという「問題意識」に欠けているわけだ。
赤い戦車

その結果、映画は何をやってもいいのだという多くの現代映画に見られる「傲慢さ」(蓮實が映画時評で『ゼロ・グラビティ』を「自堕落」と批判したのはこの文脈による)がここでもまた映画を覆い尽くしている。凄い「映像」が目白押しである、しかしここには映画が映画足りうる「問題意識」が全く無い。時流はこの映画に好意的かもしれないが、私には肯定できない。

では自堕落でない、視点に関する問題意識に溢れた映画とは何か。リュミエール兄弟である。或いはストローブ=ユイレである。

(評価:★2)

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