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[コメント] ラストスタンド(2013/米)

皆が期待した通りのシュワ主演映画。西部劇がやりたくて仕方がなかったとみえる。こんなアクションの撮り方でいいはずがないのだが、相当に緩い序盤30分を越えると中々面白くなってくる。トミーガンに機関銃、スイカが山積みになった荷台、スクールバス、トウモロコシ畑での追跡劇、国境上の橋での一騎打ち。やたらに映画的記憶を刺激してくるのだ。
赤い戦車

カット割りが細かいのはやはりいただけない。新人が銃の反動で鼻を折ってふらふらするところ、他の2人が銃口を向けられて「うわっ、こっちに向けるな」と慌てふためくのだが、あれをどうしてあんなに細かく割ってしまうのだろうか。チャップリンやキートン作にも同じようなネタが出てきたが、これは1ショットの方が絶対に面白いだろう。

護送中に悪人が逃げ出すところも、そのカットで何かを見せようとしているのではなく、何かを隠そうとしているような細かい繋ぎで、個人的な美学からすればどう考えてもダメだ。持続が完全に途切れている。

そういう意味で私が一番感心したのは、悪人がトウモロコシ畑から出てきて小高い道路を上り、国境にかかった橋を見渡す1ショット。こういうのをもっと全編に渡ってやってほしかった。それでも、最後の肉弾戦などを観ると、「ああ、肉体をちゃんと酷使するアクション映画はやっぱりいいなあ」と思わせられる。

実際、このシュワルツェネッガーは悩まず即行動するタフマンだから良い。被写体としても存在感がある。彼は人と会話する時、相手の顔から目を逸らしていただろうか?恐らく逸らしていなかったと思うのだが。

・キートンといえば、電灯を切り倒す部分、あれは『探偵学入門』に同じようなものがあったような・・・

(評価:★4)

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