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[コメント] SUPER 8 スーパーエイト(2011/米)

そういえば父もそろそろヒマだ。
炭酸飲料

※「レビュー」とは少しかけ離れた文章になってます。

エイリアンと少年達、 わかりやすく胡散臭い軍人達、 聞き馴染みのある懐かしいロック、 父と子の、ステロタイプな溝。 そして友情に、淡く爽やかな恋。 なんというか、「あ、"俺"に見せようとしてる映画ではないんじゃないかな」と感じてしまった。 昨今のSF映画にしては少し物足りなさを感じてしまう。 そこそこ楽しかったし、迫力もあり、シーン毎のメリハリも効いていて、 サービス精神いっぱいの映画だ。好感が持てる。 しかしその"サービス"は私向けのものではない。気がする。 では誰向けの?

私の父はいわゆる「団塊の世代」にあたり、 酒を飲みながらよくクドクドと語っている。 「最近の音楽や映画はややこしいばっかりで、どこがいいのかわからん」 「昔はビートルズに狂っててなぁ」 「ナックスとかベンチャーズとかのコピーバンドやってたのが懐かしい」 「黒澤映画を超えるものは無い。スピルバーグのここが素晴らしい」 etc… 私が何かロックを聴けば「ビートルズの二番煎じだ」と言い、 エイリアン映画を見れば、『E.T.』や『未知との遭遇』等と比較し、コキ下ろそうとする。 そのたびに私は苦笑いしながら聞き流すだけなのだが。

SUPER8』はそんな団塊の世代へのサービス精神に溢れた映画なんじゃないだろうか。 ストーリーやキャラクター造詣、演出にかけてもどこか古臭い。 しかし「古臭い」「今更」と吐き捨てることの出来ないエネルギーも確かに感じる。 『E.T』等の昔懐かしい作品をベースに、『クローバーフィールド』や『第9地区』等の新しい作品のエッセンスを織り交ぜ、「最近の映画は・・・」と渋る人々にやさしく語りかけている気がするのだ。

父、つまり団塊の世代はそろそろ定年になる。 バリバリ仕事をしていて映画なんかはあまり見ている余裕は無かったかもしれない。今までは。 しかしこれからは、彼らもヒマが増えるだろう。 そんな彼らに映画の楽しさを思い出させ、最新技術と演出を用いて、これからの映画への情熱を灯そうと導いているように思えました。

総じて言うと、「懐古厨、乙」。

(評価:★4)

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