この時代この地域が映画になることは結構珍しいし　賞の候補にもなってたし浅野忠信だしで　大いに期待して観た。でも期待が大きすぎて　観た後ガックリきた。

私が観たかったのは　それまでバラバラで勢力争いを繰り返していた民族を　どのようにしてまとめて　大帝国の基礎を作っていったかという点。 壮大すぎて１本の映画に収めることは難しいかもしれないけど　この作品にはそういう視点はなかったように思う。

かといって　テムジンの精神やカリスマ性に光を当てた作品かというと　そうでもない。奥さんの助けとか　ちょっとした偶然とかそんなことでのし上がっていったわけでもあるまいし。個人的には　観る人に何を伝えたかったのかが最後までわからなかった。

でも前半　当時のモンゴル人の生活や風俗　自然の厳しさや独特の風景は充分見ごたえがあった。前半がよかっただけに　後半の盛り上がりのなさが悔しい。 綿密な資料や文献研究がなされたらしいけど　残念だった。