劇映画だし、説明的なシーンならばまだいいのだが、日常場面でも話し言葉じゃなくて妙に回りくどい言い回しが頻出していたのが気になる。 フェイクドキュメントを作っていた白石監督なら敏感なはずだろうに、なんでだろう。

台詞にはじまり、脚本自体も結構ひどい出来で、貞子の呪いの期限を一週間から二日に縮めた設定が無駄に思えるほど内容が弛緩してるのが、まず問題。 しかもその間にお祓いや呪怨パート、ネットへの呪いのビデオ拡散などなど、実は内容が詰まっているはずなのにここまで退屈なのだから相当だ。 結構大ネタのはずなのにそれらの展開にも大した意味がない上に、恐怖シーンの演出もありきたりで瞬間的。ホラー映画として全編を覆っていてしかるべき不穏さすらもなかった。(一応、日本を代表するホラーの『リング』と『呪怨』コラボ映画ですよ)

おまけに監督の得意そうなキャラが立ちまくりのコンビまで投入しておいて、彼らにすら魅力がないのだから致命的。 佐津川愛美のウザさは映画の枠をこえて癇に障るし、盲目の子も白杖を使わないで障害物をよけるし、演技の適当さもすごい。

甲本雅裕のアレだけは面白かった。