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[コメント] インセプション(2010/米)

悩みまくるデカプーもいいけど、それと同時に繰り広げられるアクションが素晴らしい。 観客を釘付けにするアイディアが目白押し。
アブサン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







後半は階層ごとに雨のカーチェイス、ホテル内での格闘、雪山での銃撃と、見せ場が満載。特に重力方向がコロコロ変わるホテルでの取っ組み合いなんて、「初めて」を見る快感に溢れてて、本筋のことを一瞬忘れかけたほどだ。しかしこんなに見せ場が連続しても大味にならずに緊張感を持続できていたのには驚いた。

この怒涛の後半が成功したのは、アクション設計がとても優れていたからだと思う。都会・室内・雪山というシチュエーションの選択もうまいし、唐突な列車の闖入で観客の期待を煽る導入、濡れた歩道で車のタイヤを微妙にスリップさせ画面にリアリティを与える緻密さ、そして頭脳派アーサーが肉弾戦をする意外性、その際にだまし絵階段を生かすという気の利かせ方、雪山でのワクワクする小道具の使用法… 等々、常に観客を飽きさせないアイデアが詰め込まれている。さらにこれらのアクションを同一の時間軸でまとめ上げるってんだから興奮せずにはいられませんよ。(あと『スペル』の胡散臭い占い師のおっさんまでもがライダーと戦ったときには心ん中で拍手)

そして映像で圧倒しておきながら、振り返るとすっきり回収されている伏線にも感心。いまさらだけど(『ダークナイト』があまり好きじゃない)、この監督、信頼できるなあ。

ラストもよかった。回り続けてとまらないコマに不安を感じ始めると軸がブレ出し、よかった止まるんじゃんと安心しかけた途端に暗転して映画が終わる。ここには「実は夢だった?」というオチどうこうよりも、「絶えず自分と向き合え」というメッセージを見た気がします。

最後にどうでもいいことだけどマリオン・コティヤールは本当怖かったなあ!

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ドデカプリオ プロキオン14[*]

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