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[コメント] 耳をすませば(1995/日)

こんなにもいろいろな観点から見られる映画も珍しく、まあ、やっぱり名作なんだろうなと思う。
サイモン64

2010.7.15 TV放映を録画して鑑賞。

「スタジオ・ジブリ作品は全部見た」と思っていたら、これは見てなかった。もしかしたらまだ見ていないのがあるかもしれない。自信がなくなってきた。

それにしても、こんなゆったりした展開と、派手な盛り上がりもないストーリーで、棒読みの声優集めて、それでいて二時間のアニメを劇場版で作ってペイしてしまう。こんな事が出来るのは宮崎監督くらいなもんだろう。かなり『魔女の宅急便』にも通じるものがある本編だが、「魔女宅」以上に地味な展開が逆にすごい。普通は「盛り下がり恐怖症」みたいなものにとりつかれそうなもんだが、踏みとどまれるところがすごい。

昔2ちゃんねるで「『耳をすませば』を見てると、映画内の学校生活が充実しすぎてて死にたくなる」なんて書き込みがあったが、確かに引きこもりにはキツイ内容ではある。確かに私だってこんなに充実はしてなかったが、でも、若い時ってなにかと奮闘・模索してるよなと懐かしい感情にとらわれる。

絵の中でも、日常風景の背景画の描き込みようがすごい。アスファルトの補修跡だとか、信号の汚れ具合だとか、一瞬使うカットにびっくりするぐらい手間がかかっているんだろうなと思う。多分写さない場所まで描いているんじゃないかという気がしてくる。

一つの映画を見ながら、映画の中だけではなく、映画の外のことも考えながら見られるなんてのは珍しいことで、こういう観点をいくつも提供するってことは、やっぱりまあ、名作なんだろうなと思う。

(評価:★5)

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