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[コメント] デビルマン(2004/日)

本編115分が苦痛でたまらなかった。駄作と言うよりも、評価の対象にさえするべきではない、唾棄すべき代物。制作陣は完全に悪魔とは違う何かもっと下劣でいやらしいものに取り憑かれていると思う。
サイモン64

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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2009.5.24。あまりにも評価が低いので、却って怖いモノ見たさで見たくなり、オークションで安く買ったDVDを見た。

水野センセーよろしく、「いやー、映画って本当に良いモンですね(^^」な鑑賞態度の私は、かなり映画への評価が甘い。それだけに評価の振幅は激しくなるのだが、この映画は映画ですらなく、評価の対象にすらすべきではないと感じた。「駄作」という言葉が表す領域にすら入り込めていない。原盤ごと焼き捨てるべきだ。115分という上映時間が、苦痛でたまらなかった。一刻も早く終わってもらいたかった。駄作の殿堂入りした、アノ『CASSHERN』『隠し砦の三悪人リメイク版』『少林少女』『ティンカー・ベル』ですら、ここまで落胆しなかった。

なにがいけなかったのか考えてみる:

配役:牧村夫妻に宇崎夫妻を持ってきた時点でおかしいと気づけ

演技:「主役の棒読み」は失敗を約束されたようなモノ

時間:長い割に無駄なシーンが多くて、退屈極まりない

台本:「ああああああ〜」ってなんだよ?

CG:いっそ全部CGでも良かったかも知れない

画質:なぜフィルムで撮らぬ?なぜにビデオ画質?

撮影:なぜ被写体を追い続けて小刻みに動かす?

特に原作のハイライトは、拷問の末殺された牧村美樹の首がデビルマンの足下に転がって来るところで、ここを確実に押さえれば、かなりの部分挽回できたと思うのだが、シチュエーションを完全に変えてしまって、デビルマンに言わせるべき台詞を全く言わせてないのである。監督の知性を疑うシーンだ。

シレーヌの富永愛と、牧村美樹の酒井彩名は、配役としてはよかったと思う。ただ、シレーヌの扱いはあまりにも簡単すぎるし、牧村美樹はあんなに媚びた笑顔を見せるキャラではないという点が理解されていない。

なんにせよ、全ての問題は脚本家と監督が「デビルマン」という、未だに語り継がれる名作漫画の世界観を全く理解していないことに尽きると思う。

カメラもひどい。運動会の子供のかけっこを撮ってるお父さんでも、もうちょっとマシな被写体の追い方をするんじゃないかと思えるくらいひどい。画質もビデオカメラ画質なので、日曜朝にやってるようなヒーローモノを見ている気になってくる。しかもドアップ多用って、どんなセンスなんだ。

不動明と飛鳥了を演じた二人をキャストした人の脳みそも疑われるが、途中で辞退しなかったこの二人もすごい。ここまで棒読みかつ、気合いの入ってない演技というのは、少なくともギャラをもらってやる人間の仕事ではない。

自分だったらどうやってこの原作を映像化するのか考えてみたのだが、「実写でやる必要が全くないので、原作漫画を読んでおいて下さい」と言うのが関の山だと思う。そこをあえて進めたこの映画の制作陣は完全に悪魔とは違う何かもっと下劣でいやらしいものに取り憑かれているんだろうなと思った。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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