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★5浮草物語(1934/日)暗闇の中、画面奥からぬっと迫ってくる列車。列車から降りて画面中央に固まる一座に降り注ぐ照明。冒頭のこの圧倒的な夜の情景に、はやくも傑作であることを確信できる。 [review]ナム太郎[投票(1)]
★4リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1986/米)フェイク度の高いブラック・ミュージックとでも云えばよいのか、とにかく音楽にノリがあってよい。とりわけ町じゅうを巻き込んでの“Skid Row (Downtown) ”は泣き笑いながら踊るしかない名曲だとさえ思う。このシーンはミュージカル演出(人物/カメラの動かし方)もなかなか魅せる。 [review]イライザー7, ユリノキマリ[投票(2)]
★3大日本人(2007/日)擬似ドキュメンタリという形式を選択したことはきわめて賢明。狡猾と云ってもよいほど。 [review]ハム, shiono, TOMIMORI, Lostieほか8 名[投票(8)]
★4マジシャン・プレスト(2008/米)最新技術による伝統芸。ここで伝統芸というのは視覚的に仕掛けられた伏線とその回収のこと。つまり、あらかじめ巧妙に画面内に配された梯子やら配電盤やらに次々と意味を与えてゆく仕方。それはまるでウォルト・ディズニーのようだ。バスター・キートンのようだ。また、速度感の創出に命を懸ける姿勢も正しい。シーチキン[投票(1)]
★3アクロス・ザ・ユニバース(2007/米)積極的に悪い映画ではないと思うが、なんともダサいというか志が低いというか。要するに、この映画が目指しているのは「観客の知識に頼った面白さ」であるということ。それは観客に対する阿りであり、「映画ならではの面白さ」では断じてない。心おどるダンスシーンがないことも不満だ。 [review]Sungoo[投票(1)]
★5スリ(1959/仏)これが活劇。指先の活劇。「流れるようなアクション/カメラワーク/カッティング」とは、この映画における駅〜列車の連続スリシーンにこそふさわしい言葉だ。映画史上最強のアクション演出家ブレッソンの最高度の技術が炸裂している。そして、これは至高のラヴストーリィ。どん底で光り輝く唐突な愛!chokobo[投票(1)]
★5キッド(1921/米)私のベスト・オブ・チャップリン。構成のまずさ等を鑑みれば決してよくできた映画とは云えないはずなのだが、しかしここにはチャップリンに拮抗しえた唯一の俳優ジャッキー・クーガンがいる。 [review]chokobo, らーふる当番, けにろん[投票(3)]
★3靖国 YASUKUNI(2007/日=中国)刀匠の存在はやはり興味深いし「中国人は中国に帰れ!」のおっさんなどなかなかエキセントリックな人も登場するものの、どうもキャラクタが弱いという印象を覚える。それは監督のフォーカスに厳しさが足りないためではないか。人物に対してだけではない。風景に対しても、「問題」の焦点に対しても。 [review]chokobo[投票(1)]
★4山の音(1954/日)実は成瀬こそが原節子と最も相性のよかった監督なのかもしれない。もはやオーバーアクトの域にまで達している原の演技が成功以外の何ものでもなく、映画にすこぶる貢献しているということがその証拠だ。 [review][投票(1)]
★3スピード・レーサー(2008/米)ハッキリとダメ映画である。何もかもがまるでなっちゃいない。しかし無茶苦茶チャーミングでとても憎めない映画だ。正直何度も落涙した(恥だ!)。それは、このようなダメかつチャーミングな珍品の存在さえも顔色ひとつ変えず鷹揚に赦してしまう「映画」というものの懐の深さに対する涙でもある。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★3マーティ(1955/米)照明への配慮が撮影に安定をもたらし、ほとんどが夜のシーンで占められることの妥当性を保証する(暗闇のキスシーン!)。たっぷりと芝居を見せるべく長めのショットでシーンが構成されるのも心地よい。しかしまあ何より、このアーネスト・ボーグナインを応援しなかったら嘘だろう。[投票(1)]
★3旅情(1955/米=英)このキャサリン・ヘプバーンの顔面はすべての瞬間において「孤独」の相を示している。それは旅行者の、という以上に絶対的な/実存的な孤独だ。その孤独の深さが作品に単なる観光メロドラマ以上の陰影を与えている。ヒルドヤードの撮影も上々。無人の町の画面がまるで世界の終わりの風景のようなテクニカラーのベネチア。けにろん[投票(1)]
★4クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001/日)この映画におけるノスタルジー及びそれに関する描写については、私はさほど興味を抱かない。私にとってこれは「大人」と「子供」の関係性の物語であり、現在を生きる普通の家族の物語だ。そしてそれはきわめて具体的な映画言語で語られている。 [review]ぐ〜たらだんな[投票(1)]
★3パラノイドパーク(2007/仏=米)(悪い意味で)感性だけで撮っているような。演出の放棄か。高速度撮影の氾濫。「とりあえず高速度撮影しとけばなんかソレっぽくなるだろ。クリストファー・ドイルは綺麗な画撮ってくれるし」以上の何かがあるようには思えない。実際画は綺麗。綺麗すぎて嫌。自転車でスケボーを引くシーンなどはちょっとよい。Madoka[投票(1)]
★3ブラインドネス(2008/カナダ=ブラジル=日)隔離収容所の次第に荒廃してゆくさまや廃墟趣味フルスロットルな外界の造型が期待に応える出来で嬉しく、教会シーンではフライシャーソイレント・グリーン』が脳裏をよぎる。自動車・飛行機事故のショットはただの資料映像だろうが力強くて驚く。白みを強めたルックも適当な選択だろう。 [review]林田乃丞, 緑雨[投票(2)]
★4ザ・ミッション 非情の掟(2000/香港)チープな演奏で芸もなく反復されるテーマ音楽が却って作品の質向上に貢献するという香港映画マジックも炸裂しているが、基本的には真っ当に水準の高い演出で全篇が貫かれている。銃撃戦における空間把握にはもう少し明晰さがほしいところだが、それは欲張りすぎというものだろう。 [review]けにろん[投票(1)]
★4栄光への挑戦(1966/日)無茶苦茶ながらもそれなりに成立している物語に亀裂を走らせんとする垂水悟郎の関西弁。この緊張感は買いだ。格好よい画面を多く持っているが、ラスト・シークェンスの舞台となるスケート場の音響設計が最高に痺れる。ロケかセットかに関わらず映画はやっぱり「空間」が決め手だ。石原裕次郎は大暴れというか中暴れ。ぽんしゅう[投票(1)]
★3コドモのコドモ(2008/日)季節を大事に撮り、ときに激しく雨を降らせ、丁寧にカットを積み重ねてファンタジーとしての語りに現実性を吹き込んでいる。しかし力強く映画に楔を打ち込むべき「決め」のカットが弱い。甘利はるなのいくつかのクロースアップや教室中の児童が一斉に立ち上がるカットがそれだ。悪くはない。が、もっと興奮がほしい。 [review]セント[投票(1)]
★3太陽の墓場(1960/日)愚連隊よりルンペン衆のほうがヤバイつまり面白い。伴淳三郎小沢栄太郎の面白さはむろんだが「その他大勢」が醸し出すリアルルンペン感が堪らん。それに比すると津川雅彦らは器が小さく食われ気味。佐々木功の健闘は嬉しい収穫だが。ラストに現出する風景には息を呑むも、その意味するところを台詞で云っちゃおしめえよ、である。けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★3クローネンバーグの デッドゾーン(1983/米)この静謐さこそがクローネンバーグの最大の特質だろう。透明な静謐さのうちに「何か」を展開させてゆくという方法論。「何か」とはまさしく未知の項であり、そこには作品や場面によって異なるもの―暴力性/痛覚/グロテスクネス/哀しみ/笑いなど―が代入される。ここではとりわけ哀しみが。 [review]NOM[投票(1)]