[コメント] ぼくの伯父さん(1958/仏=伊)
まったく隙のない一貫したイメージの連鎖にもかかわらず、実に愛すべき映画となっているというのが凄い。タチ的世界が壊れない程度に感傷や情愛が盛り込まれ、そしてユロ氏が適度に活躍する本作は、作家タチのフィルモグラフィの中で最もバランスのとれた作品だろう。
しかしバランスがとれていると云ってもそれは他のタチ作品と比較してであって、ここでも独創的すぎる空間造型をはじめ相当異常な世界が構築されていることは疑いえない。それにもかかわらずこの作品が『プレイタイム』とは対照的に当時の観客をはじめカンヌや米国アカデミーからも理解を得られたのは、犬や子供といった分かりやすいかわいさがあったことも影響しているのかもしれない。タチは子供や動物を撮る天才でもあったのだ。
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