ほとんどサイコパスな眼鏡凶悪犯スティーヴ・イーナットと映画好き（？）なビビり屋のチンピラドン・ストラウドはともにもっと見ていたいと思わせるキャラクタ。コメディックな演出をきっちり決めていて、やっぱりシーゲルは偉い。ウィドマークの家の室内セットは五〇年代のテクニカラー・メロドラマのようで、あまりの違和感にちょっとたじろぐ。撮影・美術がラッセル・メティとアレクサンダー・ゴリツェンであることを鑑みれば、それをサーク的と云うのもあながち的外れではないのかもしれないが……。