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[コメント] オブリビオン(2013/米)

オルガ・キュリレンコにとっては(日本における公開順で云えば前作に当たる)『Land of Oblivion』に引き続いてのオブリビオン映画出演となる。向後キュリレンコ・ファンと会話を交わす際には互いにどちらのオブリビオンを指しての発言であるかをいちいち瞭然とさす必要が生ずるなど、何かと厄介である。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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トロン:レガシー』を見る限りでは「馬鹿なのかな?」とも思われたジョセフ・コシンスキーだが、SFというジャンルにかけての理解は確かなもののようだ。というのはすなわち、これは紛れもない「郷愁」の映画である。トム・クルーズ演ずるキャラクタの主要な感情が郷愁であるという点もそうだが、私たちが日常的に見知っているあれやこれやもまたいつかは郷愁の対象になるということを入念に描き込んでいる。その代表格が「アメフット」であるというのはさすがに米国民基準であるとは云え、終映後の生活にフィードバックして観客各人のヴィジョンに更新を迫るあたりはまさしくSF映画の効用だ。

先行する数多のSF映画と多くの類似点を見出せることに関しての評価は観客によって分かれるに違いない。ただし、唯一無二の映画スターであるトム・クルーズを「複製人間」役として起用するという逆説こそはビッグ・バジェットの正しい用途であり、またこの映画のアイデンティティでもあるということは銘記しておきたい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)炭酸飲料[*] かるめら[*] Orpheus[*]

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