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[コメント] 少女たちの羅針盤(2011/日)

これもまた大多数の国産映画と同じく、乏しい予算をやり繰りしてどうにか撮り上げた作品だろうけれど、そのような状況でも長崎俊一柳島克己はここまで光に凝ってみせる。照明に関して自己言及したシーンさえあるが、その人工的美の明暗が屈託ない青春映画を装った光景においても不吉を予告しつづける。
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ミステリとしてはかなりしょうもないが(廃墟撮影はいい)、少女四人の青春映画としては買いだ。恥ずかしさすれすれのところでみんな瑞々しい芝居をしている。相変わらずパワフルな成海璃子がやはり目を引く一方で、個人的には草刈麻有さんを発見した作品として記憶しておきたい(『蘇りの血』でも目にしているはずなんだけど)。線の細さが儚げだが、それに相反するような存在感もあって、笑顔も愛嬌に溢れている。ガムをくちゃくちゃしていても可愛い。それに比べて黒川智花はずいぶん醜く撮られている。もちろんそういう演出で、それは正しいのだけれども、監督も残酷だなあ。黒川サイドは抗議しなかったのかしら。

(評価:★3)

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