[コメント] パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉(2011/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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語りが淀んでいる。さんざん時間を消費する割には丁寧に語っているというわけでもない。崖ダイブのくだりなんか退屈で欠伸が出る。こういう場面をさも普通のことのようにあっさりと見せてこそ面白いのではないか。ロブ・マーシャルもまたバスター・キートンを忘れてしまった演出家のひとりだ。
また、そもそも私にはこのジョニー・デップのキャラクタが面白いとはまるで思えない。ジャック・スパロウ・ファンの意見は尊重したいが、私の見る限り、この映画のデップはひとつの例外もなく全てのギャグでスベり散らかしている(私の周辺ではこれを「グランドスラム達成」と呼んでいます)。ペネロペ・クルスもほぼしょうもない。宣教師と人魚のラブ物語さえきっちり決めてくれたら私だって映画ごと応援するところだが、このようなサブ・プロットもとりあえず数を揃えているだけで、そのひとつびとつは充実とはほど遠い(ところで、メイン人魚はエレン・ペイジに、ファースト人魚はアマンダ・セイフライドにちょいと似てらっしゃるなと思いました)。ジェフリー・ラッシュは転向したかと見せかけて、実は最も一貫したキャラクタであったことが明らかになる。こういうのはやっぱりグッと来る。シリーズ四作目の主役はジェフリー・ラッシュだ。
その他、序盤の馬車チェイスにおいて燃え上がる石炭、イアン・マクシェーンの船が放射する炎、これら火炎の造型には見どころがある。また人魚の襲撃シーンも思いのほか怖く出来ていていい。胸踊る冒険活劇を期待させておきながら不意にこういう陰惨さを見せつける、というのは児童の教育上にもまことに好ましい。
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