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[コメント] 華麗なるアリバイ(2008/仏)

これまで日本では監督作が公開されてこなかったパスカル・ボニゼール。やはりジャック・リヴェットの脚本家という認知が一般的なのだろうか。私は『歪形するフレーム』の著者として記憶した名だ。で、どのような一筋縄ではいかない映画かしらと身構えて見始めると、これが呆気にとられるほど衒いないジャンル映画。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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と思いきや、やはり何かおかしい。ジャンルを貫徹しようという意思は見せかけのものではないか。まずはそもそも「探偵の不在」がフーダニット的展開をいちいち脱臼させる(アル中マチュー・ドゥミは「探偵」になりきれない)。これは間違いなく意図的なものだろう。それは絡み合う人間関係の焦点化にも資することになって、曰く云いがたい魅力を感じもするし、また撮影・美術・演技等々の映画の各構成要素が高水準に組織されていることもじゅうぶん了解するのだが、どうにも乗り切れない。しかしクライマックス、『北北西に進路を取れ』『逃走迷路』『めまい』的高所演出が炸裂して、ああやっぱりあなたもヒッチコックが好きなのねと。続くラストシーンは『裏窓』のような余韻だ。

豪華俳優陣、という割りにフランス映画をあまり見ない私に馴染みが深いのはミュウ=ミュウヴァレリア・ブルーニ=テデスキくらいでちょっと残念なのだけれども、その中から新たにお気に入りの俳優を見つけるというのも映画の楽しみだろう。セリーヌ・サレットが好きです。

(評価:★3)

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