[コメント] パリの恋人(1957/米)
ジョージ・W・デイヴィスとハル・ペレイラによるユニックな美術は決して並みの出来ではなく、むしろ率直にすばらしいとさえ云ってもよいほどだし、撮影・照明も凝っているのだが、それらはほとんど悪趣味と紙一重のような気もする(だって暗室でミュージカルですよ。私はけっこう好きですけど)。
インテリ女性を演じながらもまったくそうは見えない、というところがオードリー・ヘプバーンの偉大さだろう。やたら小難しい言葉を使うし気も強いのだが、その板についていないことといったらない。だからと云って愚鈍というわけでももちろんなく、ただ過剰に可憐なのだ。歌唱の拙さや思いのほかダンスがキマっていることも可憐さの表象になってしまう。変な女優です。
押しの強い編集長ケイ・トンプソンもなかなか面白い。
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