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[コメント] 旅するジーンズと16歳の夏(2005/米)

頭からこうも衒いなく全的な友情を描かれると却って参ってしまう。物語が問題としているのはもっぱら各人の恋愛やら家族関係やらで、友情の確認であるとか深まりであるとかではない。彼女たちあるいはこの映画にとって友情とは揺るぎない前提であり、そのように規定してしまう潔さがよい。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







オムニバス的に見るならば、アンバー・タンブリンのパートが最もよいか。それは「ルーザー」のドキュメンタリを撮ろうとするというタンブリンのキャラクタのユニックさや「額に値札を貼る」などのチャーミングな細部があるからでもあるが、やはりそれ以上に相手役の少女ジェナ・ボイドの存在のためだ(タンブリン以外の三人のパートでは、恋人であったり父親であったりするところの相手役を務める男の魅力が薄い)。ボイドの造型のニュアンスが、このパートが紋切型に陥ることから救っている。またタンブリンとボイドの「別れ」を大仰に飾り立てないことや、そこにタンブリンとゲーマー少年がふたりで佇むカットをそっと忍ばせていることにも好感が持てる。

海を背景に石造りの家並みと青いドアー群を配したギリシアの風景も目に快い。

(評価:★3)

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