要素でみれば前作と同じだ。バイオレンス、ブラックユーモア、CMまであるTV放送、ロボットなどなど。それなのになぜこんなにもつまらなくなるのか。一つは、ストーリーがよく練られていないことにある。目立った伏線もなく流れが単調だった。もう一つは監督。ポール・バーホーベンのような個性的な監督のやりかたをまねしてもできるのは劣化コピーでしかない。前作の暴力には滑稽さがあったが、今作のはただの暴力だ。

ロボコップの重要なテーマは、マーフィーが人間であるということ。今作では奥さんとの再会がちょこっと描かれているだけだった。そこをもっと掘り下げるべきだったんじゃないの？　それ以降、マーフィーはただ単に悪を倒すためのロボットになってる。それに対しケインの方がよっぽどドラマを展開している。しかし、そのせいでケインに対する憎しみとかが奪われ、ケインが倒されてもスッキリしない。ロボコップVSロボコップ２という物理的な衝突を起こすことばかり考えて、観客の心を見失っている。