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[コメント] 地球が静止する日(2008/米)

褒めどころが無くて苦慮するが、強いて挙げれば導入部の緩急リズムによるサスペンス演出か。
shiono

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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訳も分からず召集されたジェニファー・コネリーが緊急事態のブリーフィングを受けた時点で、隕石衝突まで78分!この余裕のなさには虚を突かれた。ここから球体着陸・ファーストコンタクトまでのハイスピードな展開は悪くなかったし、一転してキアヌ・リーブス登場後の勿体のつけ方、鷹揚なその態度というのもコントラストがあっていい。

おもしろかったのは嘘発見器による尋問シーンで、一瞬にして攻守が逆転する演出の唐突さ、胡散臭さはまさに古典的なアメリカ映画の文脈だ。大胆で厚顔、バカバカしくアホらしい、そんなことを真剣に照れずにやってのけるのがアメリカ映画の娯楽性の真髄だと思う。

他には例えばゴート(ロボット)の造形であったり、リーブスが自販機に手をかざしてサンドイッチを手に入れるシーンであったり、ノーベル賞受賞者宅で複雑な数式をさらさらと解いて見せたりといったところであるのだが、そうしたおもしろさはオリジナル版に由来するものであるから、リメイクにはそれ以上のオリジナリティを期待するのは当然だろう。

しかしながら、他に何かあったっけ?というくらい空っぽなのだこの映画は。人類は変われる、チェンジチェンジの連呼は大統領選のオバマしか連想させず、終幕の見どころは何もかも食って分裂し始める虫の、なんじゃこりゃというサプライズだけであって、もうこの時点で大方の興味は失せているから、リーブスが翻意した理由がよくわからなくても、もうどうでもいいのであった。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (7 人)Orpheus けにろん[*] TOBBY[*] 煽尼采[*] 死ぬまでシネマ[*] 3819695[*] takamari[*]

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