一作目を観たのは私が小学校高学年の時でした。覚えています、友達のS君と二人でバスに乗って、水族館の隣にある映画館へ観に行ったのを。確かS君のお母さんが無料観賞券を入手したからじゃなかったかな。もう15年も前の幼い頃の記憶を未だに覚えているのは、別に作品に感動したからではなくて、友達と二人きりでちょっとした冒険に出た興奮のせいだと思います。白状すると、小学生の頃に観た作品に対する印象なんて全く残っていません。でもS君との冒険の記憶ははっきり残っています。確か、昼ごはんは映画館の下にあるロッテリアだったと思う。結局水族館も行ったのだっけ？

そんな遠い記憶の中にある作品の完結編を、15年経って1000キロ離れた町で、全く違った環境で（私の町にシネコンなんてありませんでした）、すっかりサラリーマンになってしまった私が仕事帰りにフラッと一人で観賞するなんて、なんかよく分からないけど不思議で素敵な感じです。

冷静に作品の感想を言うならば他のピクサー作品に比べて中の上といった感じですが、僕はこのおもちゃ達と人生の一部分を過ごすことが出来て大変良かったと感じています。終盤の展開も素晴らしかったけれど、それよりも嬉しかったのは15年前と変わらない彼らの冒険を随所に楽しむことができたことです。私も世の中もいろいろ変わったように感じるけれど、結局今日は昨日までの過去と一続きで、遠くへ来たと思っていた私は実はすぐに帰れる場所にに立っているようだし、明日からもまた歩いていこうと思いました。