700年間の孤独だとか感じる余裕もなく、ただただゴキブリに怯え続けた冒頭部。いや、それはゴキブリ嫌いな私が悪いのであって、作品が悪いのではない。むしろCGゴキブリでここまで私を怯えさせたピクサーの技術に拍手を送りたい。

しかし、全体的にキャラクターが状況に流されているだけのような印象を受けてしまいました。ある日空からロケットが降ってきて、訳もわからず気がついたら宇宙船の中にいて、船が傾いたら流されて…という感じで。話の切り口を「機械」と「孤独」という別次元の概念におもいっきり設定してしまったのだから、その後の展開の中でも、もっとそれぞれの機械キャラクターに人間性を持たせてもよかったのかと思いました。特にウォーリーの一挙一動を見るにつけ、機械性と人間性の境界で製作者が迷っている印象を受け、歯がゆかったです。もう少しインパクトのある脚本を期待してました。