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[コメント] キック・アス(2010/英=米)

ヒーローものかと思いきや途中から完全に別ジャンル、というかジャンルを超えた映画となっており、そこがすばらしい。あと、とにかくヒットガールが魅力的。アメリカのオタク少年の日常描写も楽しい。
agulii

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最初はオタク少年が挫折を繰り返しながらヒーローになる流れかと思いきや、途中から完全に流れが変わる。 流れが変わる地点は、彼女ができるところだ。

ヒーローものなら、彼女とヒーローであること、どちらを取るか葛藤するシーンが多少なりとも挿入されるだろう。 だが、彼はあっさりとヒーローになることをあきらめ、ばかばかしいことだったと結論を出している。 そしてその結論は最後までひっくり返ることはない。 ヒーローものとしてはありえない選択だが、このおかげでジャンルを超えた、「ある少年が暴力をただ見ているのは嫌だと小さな行動をした結果、沢山の人々へ波及した」というドラマ作品となっている。

主人公が最後に戦うのも「暴力と戦う」というヒーローとしての信念ではなく、なりゆきと目の前にいる少女を助けたいという気持ちが混ざった、人間的なものだ。 だから、彼は少女を助けたら、ヒーローであることをやめるし、それは挫折として描かれない。 あくまでも、「一人の人間が行動した結果、一人の少女が救われた」という話に回収しているところが見事。

といいながら、ヒーローもの要素やアクションを期待した人も、ヒットガールという魅力的なキャラクターが縦横無尽に暴れまわることで満足できるようなつくりになっている。

とにかく沢山の人を楽しませられるように作られた、すばらしいエンターテイメント作品!

(評価:★4)

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