[コメント] ゼロ・ダーク・サーティ(2012/米)
力作であるという点には反論する気はない。むしろ、力作という以外に特に取り上げたくなる部分がない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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キャスリン・ビグローの前作『ハートロッカー』も映画自体は面白いものではなかったが、あちらには読み解くという部分での面白さがあった。翻って本作は関係者が語ったとされる「事実」を基本に描くという括りがある以上、そこを逸脱することは不可能であり、かつ大きな脚色をする事も憚られる題材である事も重なって、全体的な淡々さ度合いが半端でなく圧倒的に娯楽性に欠ける作品に仕上がっている。
もちろん娯楽性が求められる題材ではないので、その事を悪いと言いたいわけではない。拷問シーンも自爆テロのシーンも上司との確執も突入シーンも映画のボルテージと言う点からすればほとんど起伏がない本作の方針は正しいと思う。基本的に常に平常心でなければスパイ活動など出来やしないのだから。
スパイ活動は結局地味というか地道なものであるという事を知らしめるという点においては本作は貢献できている。それで十分ではないかと思う。まぁ、あの遺体が「本当に」彼のものかどうかなんてそれこそCIAの関係者以外誰もわからないのだし。
(2013.2.23 tohoシネマズ小田原)
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