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[コメント] 岳 ガク(2011/日)

このところ漫画原作は蹂躙されがちだったが、その中ではそれなりに良かったのではないか。少なくとも、小栗、長澤の二人が比較的しっくり来ているのが一番大きい。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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原作未読です。

ストーリーは原作エピソードの羅列になっているであろうことは予想がつく。それぞれ背景を丁寧に描かない限り、感情移入するのが難しいエピソードばかりであるにもかかわらず、導入→若干の経過→結果とさらさらと示されていってしまうため、どれも上滑り感が否めない。そのため、どれも本来胸につまされるであろうエピソードが続くのだが、受ける印象がそれにしては弱い。最後の一番盛り上がるべき救出エピソードにしても、状況を聞いて食堂に人が集まってくる描写がないために、食堂での大喜びが唐突な印象を受けてしまう。そういった丁寧さは欲しかった。

ただ、島崎三歩(小栗旬)と椎名久美(長澤まさみ)のキャラ設定・演出は上手く出来ていたのではないか。どこか抜けているが山に入れば超人的な仕事を見せる三歩と情熱はあるがまだ未熟な久美の設定は、説得力を持って描けていたように思う。そのことが本作をかなりの部分「救って」いる。

テレビ局主導だと映画としては微妙になってしまう事が多い中、本作にも参加しているテレビ朝日の映画陣はなかなかうまく作っているのではないだろうか。名作、傑作とまでは言わないがフジ・日テレの体たらくと比べて好感が持てる出来ではあった。

(2011.5.14 TOHOシネマズ上大岡)

(評価:★3)

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