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[コメント] ロッキー(1976/米)

渾身の脚本、手堅い演出、パーフェクトな楽曲。これぞ純度100%のアメリカン・ドリーム!だが、スタローンの起こした奇跡はそれだけじゃなかった。
林田乃丞

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 ロッキーが挑んだのは難攻不落のスーパーチャンプ・アポロクリード。華麗なフットワークと鋭いジャブで鈍亀ロッキーを笑いながら弄り殺そうとする第1R。だが、ロッキーはアポロの閃光のようなワンツーを左にダックし、左アッパーを完璧なタイミングのカウンターブローで打ち込む。これは、サウスポーじゃなきゃ打てないパンチなのだ。この一撃でアポロは甚大なダメージを受け、キャンバスに落ちる。そしてチャンプは本来のリズムを崩し、タイトルマッチは未曾有の泥試合にもつれ込んでゆく。何かとケチの付く『ロッキー』シリーズのアクションシーンだが、この瞬間だけは、間違いなくボクシングだ!

 『ロッキー』という作品はあの左アッパーで、驚くべきことに正統なボクシング映画としても成立してしまった。歴史の始まりは、常に幾重もの奇跡に彩られているのかもしれない。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)煽尼采[*] たかひこ Myurakz[*] けにろん[*]

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