コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 意志の勝利(1934/独)

この映画が「後に虐殺行為を行う政党の宣伝映画」となってしまったことが悔やまれる。
田原木

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







1934年のニュルンベルク党大会の記録映画。歴史番組などでお馴染み。

しかし、単なる記録ではなく、通してみればこれは映画であるということが歴然とするだろう。特に注目したいのはさかんに挿入される民衆や一兵卒の表情、また旗やシンボルマークのクローズアップ。文字や音声などを媒介させず一つのメッセージを訴えかけてくるこの映像の連続を目にすれば、「意志の勝利には日本語版が存在しない」と言う事実なんてどうでもいいことだとわかるに違いない。

個人的にはルイトポルトアレーナ広場昼間集会でのヒトラーによる追悼、ヒトラーユーゲント集会とNSDAP政治指導官の夜間集会とルイトポルトハレ公会堂内のヒトラーの演説が印象深い。最高の監督に最高の演者。長い演説を飽きさせずに観客に見せているのはリーフェンシュタールの腕だけではないのだ。

ちなみに16台のカメラ・100人以上のスタッフを使ったと言う話だが、そうであったとしてもこれだけの映画を一発撮りしたというのは信じられない。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。