新しいタイプの映画監督なんでしょうね。 一昔前の映画監督は、もとから映画界でやってきた人ばかりだった。今はテレビのバラエティー番組の製作をやってきた人、音楽ビデオを作ってきた人、別の分野で十分評価をされた人が、映画の下積みなしに映画監督をやるみたいです。 三木監督も「ダウンタウンのごっつええ感じ」の構成をやってきた人だとウィキペディアに書いてありました。

本作は、従来の映画然とは、していないと思ってしまいます。それは、むちゃくちゃなことをしているからではなくて、別のコンテンツで培った経験が映画に取り入れられているからこそ生じる違和感なのだと思います。

２〜４人がテーブルで何かを話している場面があったとすると、もとから映画でやってきた人が撮ると、切り返しをある程度は使うはずです。その方が、テンポが良くなって画がしまるし、映画はどこで切るかが重要だからです。でも、本作は、そんなことは考慮されていません。テーブルを囲んで座っている全員が画面に納まった形で、ずっと引きで撮っています。全写し。コントをたくさん撮ってきた人ならでは、の映像力なのでしょう。

私は違和感を感じるし、数人が同時に別の演技をしていると、どこを観ていいのか分からなくなったりもしますけど、がんばりたいです。