[コメント] 悪の教典(2012/日)
仕事ができることの徳性を、理念的な舞台を設定することで、抽出しようとする志向は、生徒らを技術的特性で分類して組織化する試みからも、明らかだろう。かかる徳が、徳とは全く反する現象から浮かぶ様には、独特の眩惑がある。
しかし、最後にハスミンを客体化して、彼を貶めるのは、善性の下世話な介入であって、これだと徳性への志向と矛盾が来す。頼もしいという徳性は、それが極限まで達したとこで至る、悲痛な美によって、おのずと、語り手が意図した善性を逆説的に表現できたはずだ。
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