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disjunctiveさんのコメント: 点数順

★3レジェンド&バタフライ(2023/日)綾瀬はるかから光秀にマスターマインドが交代してキムタクがトラブったのであるが、この機序に意識的ではない作者はむしろトラブルを恋愛の手段と見なすあまり、キムタクの闇落ちには段階を踏ませずとつぜん人が変わる。 [review][投票(2)]
★3娘は戦場で生まれた(2019/英)台詞と劇伴が雄弁になるほど、死体がオブジェ化するジャーナリズムの作用。耐えられないのは状況なのか、動画配信者の機能的心性なのか。後者の背徳を感知する無意識が撮影者を状況の説明に走らせる。 [review][投票(2)]
★3レ・ミゼラブル(2012/英)ミュージカルの叙法に反して、皆、望遠で歌って感情を発散させず、むしろ内面に没頭し、これらの寄りがゲームCGの遠景と交わることなく相対する。歌劇の形式主義はむしろ表情筋を規制し、画面を髭面の八の字眉で埋めていく。 [review][投票(2)]
★3エスケープ・フロム・L.A.(1996/米)役者根性を試しにかかるこのコスチューム劇はラッセルをナルシシズムに憩わせない。劇中で幾度も自己言及される彼の体のバランスの悪さは、ルームランナー、グライダー、津波を通じて罰ゲームのように絶えず実体化される。 [review][投票(2)]
★3爆裂都市 Burst City(1982/日)群衆統制としての戦争映画創作の営みが運動会に堕してこそ、意気地という男性性のセンチメンタルな発作が捕捉できてしまう。 [review][投票(2)]
★3スカイライン 征服(2010/米)割れ顎、メタボ、男性型脱毛症。B級映画の吹き溜まりのような面々の叫喚が地球の危機を密室劇へと矮小化するセンス・オブ・ワンダー。しかし、この不条理による筋の視界不良によって、宿命という不条理の根源が導かれるのである。 [投票(2)]
★3江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969/日)意図された稚拙と解釈するには叙述が深刻であり、意図の不在の脅かしを嗤いで耐えるのは不見識のように思え、感情を帰属させる試みは阻却され続ける。 [review][投票(2)]
★3眠狂四郎女妖剣(1964/日)毛利郁子の菊姫のキレ方には虐待美というセンスがあって、これが様々な現場を守るオッサンらに緊張の美をもたらす。雷蔵の性欲がいつもより控えめな為に話は大いに乱調を来し、城健三朗が「次々と忙しいな」とメタ発言するほど常識外れの事しか起こらない。 [review][投票(2)]
★3男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980/日)博のマイホームに絡んで人々の甲斐性が発現する様が具体的で色彩に富んでいるからこそ、気づけば夜学に浸透している寅の過程のなさがぶきみなのだが、何もない男の穿つ虚空に伊藤蘭の瓜実顔が蒸着して実体を与えることで、その淫靡が匂い立ってくるのだ。 [review][投票(2)]
★3エリジウム(2013/米)病魔の浸潤がかえって痛覚を無効にするヤケクソじみた難病超人に見る、ジミー大西の匿名性がもたらした肉体的寛容。罹患してますます盛んになる猟奇ポルノにジョディ・フォスターというこれまた難物が投じられ炎上する乱戦で目的を見失う村役場のお家騒動。[投票(2)]
★3リアリズムの宿(2003/日)語り手のエゴが自らの課題を原作に接ぎ木している。リアリズムの宿に包摂されてしまうと前後の断絶のあまり、冬の日本海が時空を曲げたような文芸的な効果があらわれるのだが、もはや『リアリズムの宿』である必要はない。[投票(2)]
★3KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016/米)感傷に溺れエキゾチシズムに甘え停滞する冒険と抽象的な抗争に活を入れるのはマシュー・マコノヒーの陽性の造形。しかしその到達点にあるものは、フィクションの効用にたいする強迫観念という業界人の自意識、つまり空虚の最たるものである。 [review][投票(2)]
★3ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003/米)ロバート・デュバルの美事な頭部と比較参照させることで、おのれの薄毛の相対増幅を試みる姑息な助平心はまた、美術とガンファイトを精緻にせずにはいられない苛烈な自己認識の産物でもある。 [review][投票(2)]
★3スター・ウォーズ 最後のジェダイ(2017/米)男の疲弊に哀憐を寄せる眼差しは、単身オッサンの孤島ライフを記録映画調の豊穣さで捕捉するが、シリーズの基底にある武断肉体主義とは相性が悪い。無茶苦茶になった個々人の戦闘力の位階を破綻の手前で押しとどめるのはデイジー・リドリーの鼻息。[投票(2)]
★3激動の昭和史 軍閥(1970/日)加山雄三の面の皮の厚さが北村和夫らに受容されてしまう若大将の現実充実の浸潤力が 小林桂樹を青大将化するにとどまらずその心理劇に傾斜させ、桂樹はストレスを糧にして鬼神化する。『黒い画集 あるサラリーマンの証言』や『』の事実上の姉妹編である。[投票(2)]
★3野火(2015/日)肺病、飢餓、捕食の危機が出来の悪いリアリティショーのような偶然によって悉く無効にされる。飢餓で昏倒していたその傍から出奔するように。 [review][投票(2)]
★3ハクソー・リッジ(2016/豪=米)痴性を聖化する営みが保守的な政治観と連携している。フォレスト・ガンプ的であり、聖化がスコケマシに派生するように、具体的な状況設定にも共通するものがある。 [review][投票(2)]
★3LOGAN ローガン(2017/米)子の逞しさが父性の目覚めの障害となる。子どもはすでに自律していて、父親を必要としていない。代わりに老人に必要とされても詮方なく、しかも二重遭難になってしまう。 [review][投票(2)]
★3午後8時の訪問者(2016/ベルギー=仏)発端となったイベントが、素人捜査に駆り立てるほどの罪悪感をもたらし得るものだったのかどうか。その心もとなさが、出来の悪い火サスのような行動の飛躍をもたらしかねない。 [review][投票(2)]
★3ヴィンセントが教えてくれたこと(2014/米)介護施設の支払いが滞留したら即退場で自身の借金すら卒中で帳消しになる。多段式ロケットのような捨て身の迫力である。 [review][投票(2)]