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disjunctiveさんのコメント: 点数順

★4泥の河(1981/日)現代を主張してやまない橋の欄干や路面に仮構の苦悶がある。出来杉た田村&藤田夫婦の聖性は、昭和後期のモラルと人相の産物なのか、その人固有の善なのか。 [review][投票(1)]
★4キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014/米)茶番に社会的実体を与えようとすると却ってリアリズムの苦悶に陥る。各人の運動能力の秤量に由来する負荷はスタンのIDクライシスのヒロイズムを損なう。レッドフォード劇場は月面のようなその顔の古層にエヴァンスの嘘くさいスリックな相貌を告発させる。 [review][投票(1)]
★4殺人者(コロシ)を追え(1962/日)美人の元カノに浮気され美人不信に陥っている小高雄二は、香月美奈子(カワイイ)に対してもツンツンと接するばかりである。訓話のお約束としては、香月が小高を人間不信から解放するのが筋であり、表向きはそうなる。が、 [review][投票(1)]
★4みな殺しの拳銃(1967/日)宍戸がアップの切り返しに巻き込まれると、顔の対比によって彼はアンパンマンという人相学の被験体に過ぎなくなる。そのクラストの厚みはさまざまな不随的事象を体系づける。何よりもアンパンの感情表出が困難だ。 [review][投票(1)]
★4嵐の勇者たち(1969/日)裕次郎が小百合を盾にして渡一家と合流するところ。小百合の小顔とあの顔厚が対比され遠近感が狂うあまり、「デケエ面してんな」とメタ突っ込みが入る。 [review][投票(1)]
★4あるいは裏切りという名の犬(2004/仏)叙述的な警察映画だと誤解させてくるから、公務員のラテン的遵法感覚についていけなくなる。ヒゲ面のオッサンたちは眉間を起伏させながら、ひたすら飲酒・喫煙・脱衣・銃撃に勤しみ、肉体主義で質感と劇伴の安さを圧しようと忙殺される。 [review][投票(1)]
★4そして僕は途方に暮れる(2022/日)寄生術が野村周平の天然に報復されるようなフラストレーションの仕込みと解消のサイクルがどこかで乱調している。リウマチの圧は戯画的な顛末で中和される。しかしそれを中和しては話が終わるから、 原田美枝子の性格は軌道修正してしまう。 [review][投票(1)]
★4マスカレード・ホテル(2018/日)事実上のオムニバスに脈略を与えようとして劇伴が出来事を盛る。ロビーに入った客にオーバーアクトさせ、ホテルの格の指標とする。美術と演出がホテルの質感を保証できないのであり、バックオフィスに戻らないと画面が落ち着かない。 [review][投票(1)]
★4西鶴一代女(1952/日)冒頭から三船の野趣に腰を砕くように、男運の圧によって自在に変形する絹代の粘体感は順応力であり、薄幸の幾何学の型である。不幸の多面体に対応するうちに美術は意匠を失い、ネオレアリズモのような無国籍の郊外となる。 [review][投票(1)]
★4幕末太陽傳(1957/日)個人の事情としては、その性能はここに置いておくべきものではない。局地的なこの遁走願望は階級脱出の体裁をとりながら、マルサスの限界に達した近世社会の窮状を概観する。 [review][投票(1)]
★4ハンターキラー 潜航せよ(2018/英=中国=米)人を意地の発動へ追い込む段取りがある。主人が寄せてくる情が義理の負債を負わせる。何としても信用に応えたい切迫は同業の連帯感と混線しながら仮想敵に感化を及ぼす。それぞれの現場で培われる義理の網の目は合成され権力の正統性に力の裏付けを与える。 [review][投票(1)]
★4イニシェリン島の精霊(2022/英)コリン・ファレルを沈思させれば、文法上は彼の主観に入ったことになり、境界知能に自省が生じたと思わせる。しかし直後の行動で、男は学習を拒絶し自らの自意識の欠落を表明し、受け手との視点の同期は誤解だったと判明させる。 [review][投票(1)]
★4クリード 炎の宿敵(2018/米)劇中で幾度か指摘されるように、ドラゴ親子の恨み節を越える動機を提示できるどころか、逆に彼らの動機を強化してしまう結末でしかない。ジョーダンの方は去勢された男の顔が様になりすぎて、試合終盤ではその負け犬感がドラゴ組の悔しさと混然一体となる。 [review][投票(1)]
★4土を喰らう十二ヵ月(2022/日)妻と死別した男は正しく年を取れなくなっている。沢田の老いの容貌は声の張りと釣り合わず、大友克洋マンガの老人のように年齢不詳である。時が止まっているから人も物も朽ちることはなく、沢田の山荘と奈良岡朋子の山小屋はセットのように生活感がない。 [review][投票(1)]
★4酔いどれ天使(1948/日)事は基本的に志村喬の視点で観測されながらも、絶えず三船の視点に憑依したがる衝動がある。ふたりともムラっ気で分かりにくいのだが、病状に応じて態度を緩急剛柔させる志村に三船がドキドキしてくるのである。 [review][投票(1)]
★4コンシェンス 裏切りの炎(2010/香港=中国)レオン・ライの顎髭とリッチー・レンの膨張頭髪が互いを引き寄せ合うオッサン連星の公転運動。子犬のようにレオンを慕うミシェル・イェのアイドル性と汚らしいオッサンらの間で鼻の下が伸縮を繰り返す。 [review][投票(1)]
★4最後の決闘裁判(2021/米)野人とインテリの対比が機能しない。事態を招いたのは野人の無能力でもインテリの機智でもなく、単なる性欲への敗北である。見解に矛盾がないので羅生門効果も成立していない。総じて軽い芝居のなか、野人と性欲文系の狭間でウンザリするベンアフが [review][投票(1)]
★4パリ13区(2021/仏)男が教え子と遭遇する出来過ぎた偶然は、良き教師像としての男を提示して女の気を惹く創作上の機能が明らかになると許せてしまう。妹の動画を褒めさせて男の好意を受け手に惹きつけた直後、些事のつまずきで空いてしまう失恋の穴。 [review][投票(1)]
★4アベンジャーズ エンドゲーム(2019/米)サノスを襲うとか石を云々とか動機付けを台詞に依存する朗読劇であり、紙芝居に質感を与えるべくヒゲ面たちが泣き顔の彫を深めていく。要は顔貌の起伏で時空を連関させる類の映画だが、根拠なき接続は無差別と同義であり無差別は自助の実感を失わせる。 [review][投票(1)]
★4モガディシュ 脱出までの14日間(2021/韓国)ドメスティックな題材が矮小さゆえに感情の信憑性に到達することがある。脆弱な外交リソースが路頭を彷徨わせるくやしさ。しかしドメスティックさゆえにアフリカ憎悪には容赦がなくなる副反応がある。 [review][投票(1)]