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disjunctiveさんのコメント: 更新順

★4ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016/米)マイケル・キートンのヒール映画、あるいはマクドナルド兄弟の悲劇とはとれない。むしろ兄弟の顛末は、マックを単なる飲食業ではなくひとつの文明だと感知できなかったペナルティだと解せてしまう。 [review][投票(1)]
★4友よ、静かに瞑れ(1985/日)作中唯一の常識人と目される六浦誠少年が実はキレているというか、自室に自分のポートレイトを飾るメンタリティが不可解で、六浦の色香に惑わされることで藤竜也のナルシシズムが幾分か減圧される一方、人間関係の言及に終始して事は滞留する。 [review][投票(1)]
★4ファースト・マン(2019/米)記録映画の叙述法にジャンル物の劇伴がミックスされる。叙述法ゆえに地上の環境音は豊饒だがエフェクトカットになると音の厚みがなくなる。その倒錯をもたらすのは理系サイコという感情のないものを感情で説明する試みの困難である。 [review][投票(2)]
★4KAMIKAZE TAXI(1995/日)役所広司のやつし物であり、「俺強い」が確定しないように彼の造形の輪郭はぼかされる。ところが、誇張された造形物を得意とする演出にはこれが扱いかねるようで、紋きりなミッキー・カーティスらヤクザ連の方がよほど話の展開に貢献している。 [review][投票]
★4運び屋(2018/米)プロローグが12年前設定で演じ手が米寿の老人であるから、ここから12年飛んで本編に入ると、この老人は何者なんだとならざるを得ない。あとはもう死人の夢で、その内容はヤクザ社会の方々で歓待されてしまう『哭きの竜』のような稀人ヤクザ物である。 [review][投票(4)]
★4崖っぷちの男(2012/米)大根演技の誤算なのか、不眠症のフワフワ演技なのか、はたまた単にやる気がないのか。エド・ハリスを筆頭に男優陣が力むほどに、エリザベス・バンクスの平常心が謎深くなる。 [review][投票(1)]
★4アリー/スター誕生(2018/米)人の踏み台になる宿命をいかにしてリラックスして受け入れるか。その踏み台の象徴を担うのが運転手のオッサンらであるが、初めて踏み台となったクーパーの悲愴な反応が実は誰もリラックスなどしていなかった結論を引き出して庶民賛歌となる。[投票(3)]
★4哀しき獣(2010/韓国)むちゃくちゃである。キム・ユンソクの戦闘力はともかくタクシー運転手ハ・ジョンウのそれは意味が分からない。ジョンウが内偵の過程を通じて見せる甲斐性もキャラ立ちを不明瞭にする。こんなに仕事が出来てなぜタクシーを転がすのか。 [review][投票(4)]
★4ザ・タウン(2010/米)邪念が文化格差を無視する。レベッカとベンアフがつがいになるとは思えず、破局を迎えても未練が残らない。むしろジェレミー・レナー、ポスルスウェイト、クリス・クーパーの生き様の話であり、彼らの死体を踏み台にして花開くベンアフ自慰文芸である。 [review][投票(2)]
★4蜘蛛の巣を払う女(2018/英=独=スウェーデン=カナダ=米)リスベットに対する性的な興味が出来事を八百長に押しとどめ、説得力の欠けるポルノグラフィのような日常場面の連なりにしかなっていない。 [review][投票]
★4恋人までの距離〈ディスタンス〉(1995/米)読書が異性を吸引する文系邪念の枠内ではイーサンの求愛活動が痛々しいが、自然の摂理というか、その求愛行為がむしろ可愛くなってくると、イーサン視点から受け手は分離される。 [review][投票]
★4マッドマックス2(1981/豪)希少品の連なりが現象を物語として構造化する。オルゴールがフェラル・キッドの行動を誘導し、キャラが動くと今度は空間が構造化する。フェラル・キッドの抜け穴とオートジャイロがワームホールのように空間を穿ち何もない砂漠に立体を与える。 [review][投票(1)]
★4私の中のあなた(2009/米)キャメロン・ディアスのアナクロな人権観は意図であって、キャメロンの救済ないしフォローは当然なされるだろうと考えるのである。 [review][投票]
★4クロッシング(2008/韓国)チャ・インピョの単身赴任がタイムリミットを無視する悠長さで、時間の流れ方が不明瞭である。妻の顛末が確定すると悲酸の消化でしかなくなり、余程アクティヴな息子の冒険譚がオヤジのドジを益々強調する。 [review][投票]
★4愛を読むひと(2008/米=独)文盲よりもアスペルガー症候の愚直さの方に感傷が期待できると思われるが、あくまで文盲にこだわりがある。ダフィット・クロスの熟女趣味同様、このあたりは隔靴掻痒であるものの、自習の件でようやく、このふたつが邂逅をなす。[投票(2)]
★4きみの鳥はうたえる(2018/日)柄本佑の遭難に顕著なように悪意は回収され、邪なものは哀れとして解釈しようと試みがなされ、各所で性格造形が受け手の好悪から中立化される。 [review][投票(1)]
★4サガン -悲しみよ こんにちは-(2008/仏)理性が衰滅するほどに演技という理性が開示され、破滅したはずなのに回顧はやれる幽霊譚のように分裂した調子に、貧相の娘が伸していく軽業的な絵が然るべき構造を見出し到達する。[投票]
★4ボヘミアン・ラプソディ(2018/英=米)ゲイの人々の正体を探り合うような間合いの計り方も上顎前突者の心理的な緩衝も、アナログのリニア機材のプリロールの間に包摂される。だからこそ、ライブエイドのデジタル丸出しの質感が演出の不在を訴えてくる。[投票(1)]
★3ジャズ大名(1986/日)ノンポリがノンポリの意気地を貫くのは撞着語法であり、撞着するから話が進まない。最後にメタ化して山下洋輔一派の本物のノンポリらが出てきて、ようやくこの息詰まりから解放された。[投票(1)]
★4パンク侍、斬られて候(2018/日)ピカレスクを許容できない意匠は、社会時評を揶揄のかたちでどうしても叙述できない一方で、人間は説明できるという確信を充満させて不快な人物の不快な行為を次々と理由づける。 [review][投票(1)]