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disjunctiveさんのコメント: 更新順

★3爆裂都市 Burst City(1982/日)群衆統制としての戦争映画創作の営みが運動会に堕してこそ、意気地という男性性のセンチメンタルな発作が捕捉できてしまう。 [review][投票(2)]
★4ションベン・ライダー(1983/日)おそらく映像の文法と脚本にズレがある。台詞と挙措の長さがリンクしない。会話が終わっても挙措が完了せず無意味な間が出来かねない。間を持たせるために、つまり台詞と身振りを逢着させるべく、役者はキートン的スタントに没入する。 [review][投票(3)]
★3川の底からこんにちは(2009/日)作者が満島ひかりに凡人讃美をやらせる。作者も満島も凡人ではないから、これは厚顔であり話に取り付く島がない。偉いのは遠藤雅で、彼を通して厚顔が無感覚ゆえの哀れみに翻案されている。[投票(1)]
★3PVC-1 余命85分(2007/コロンビア)児戯のような爆弾処理に南米人の自嘲は含まれるのだろうが、最後はラテンのノリがこちらの思惑を凌駕して現実を散文化する。何よりも丸々とした時限爆弾の愛嬌ある居住まいに審美感を狂わされる。 [投票]
★3追悼のざわめき(1988/日)ここにある懐かしさは経時の産物というより、アングラ劇にどうしても伴ってしまうノスタルジーの効果だと思う。文法は新日本紀行とか、そちら系の方に近くなり懐古が怪奇を安らぎにしてしまう。 [review][投票]
★4砂と霧の家(2003/米)同情を寄せざるを得ないベン・キングズレーの顛末が見え透いてしまうと、開き直って、オッサンの克己心を試すジェニファーらがどこまで狂えるか、そちらに慰めを見出したくなるのである。 [review][投票]
★3トロイ(2004/米)色ボケの無能のせいで殺し合う事態にどう移入すればいいのか。オーランド・ブルームの尻を拭うエリック・バナには苦労人の徳があり、これがブラピと緩い連帯を結ぶ筋となれば、ブルームの無能が有能という現象の引き立て役になる。 [review][投票(1)]
★3スカイライン 征服(2010/米)割れ顎、メタボ、男性型脱毛症。B級映画の吹き溜まりのような面々の叫喚が地球の危機を密室劇へと矮小化するセンス・オブ・ワンダー。しかし、この不条理による筋の視界不良によって、宿命という不条理の根源が導かれるのである。 [投票(2)]
★4AI崩壊(2020/日)この手のジャンルは彼我ともに何でも出来るゆえにスリラーの均斉が保ち難い。 [review][投票(1)]
★4決算!忠臣蔵(2019/日)テクノクラシー賛歌と思わせながらソロバンが状況を動かすことはない。彼らはただ悲酸と無能を計数化することで、無能が無能ゆえに追い込まれる様を簡潔に表現するのみである。 [review][投票(1)]
★3天使のはらわた 赤い淫画(1981/日)男は性欲を美化したいのだがやはり拘泥はあって、そこに女が惹かれるのも無理がある。その曰く言い難さに苛立つ自警団の不条理な迫力が喜劇じみてくる一方、無茶な恋が無茶だからこそ到達できる感傷もある。 [review][投票(1)]
★4フォードvsフェラーリ(2019/米)通例、カット割りで表現するしかない速度の体感をベールは凸凹の面貌で体現する。フェラーリとベールでは負け犬同士の潰し合いにしかならないところへ、スピードとは程遠いジミー大西の骨相がラテン人に軽侮を加えてくる残虐劇。 [review][投票(1)]
★3DAGON ダゴン(2001/スペイン)成功したギークには撞着語法の罪悪感が常に付きまとう。作者のかかる邪念は海洋恐怖として報われるが、その解消に性急なあまり、フリークスの扱いが蔑視に近づく。 [review][投票]
★4アウトロー(2012/米)ナルシシズムを異性との不自然な間合いの中で捕捉しようとする実証精神が、市井の人々との偶然の連帯の中に、観念的自由が具体化する瞬間を目撃する。自由をめぐる社会時評がナルシシズムに隷属することで無毒化されて抵抗なく受容できてしまうのである。 [review][投票(1)]
★4残菊物語(1939/日)名古屋での復帰でお徳が女難化している。お徳への未練が菊之助の復帰を拒むトレードオフが出来上がる。名古屋が事実上の結末であって、以降は消化試合になりかねないところを、お徳が邪魔をせぬかどうか、その女難化がサスペンス感をかえって高揚させている。 [review][投票(1)]
★4鮫肌男と桃尻女(1998/日)浅野忠信の徳操が我修院との関係を通じて高く引き上げられる。ギークとヤクザのマッチングをめぐる作者の羞恥が均斉の妙に達すれば、緩い連帯が何かの予兆となる。文系の意欲に負けてさじ加減を誤ると、便利すぎる我修院が関係者の尽力を台無しにする。[投票(1)]
★4エンゼル・ハート(1987/米)時代を構築するガジェットに不足しない都会からルイジアナに下り淀む時間。ミッキー・ロークの没価値的属性がエキゾチシズムの非時間に滞留し、目前の物体が思い込みで見えなくなる自閉症のような症状を追体験する。[投票]
★4SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者(2012/日)鬱積と浄化のサイクルを精緻に構築する審美感は、人間が互いに暴力を振るい合おうと試みて生に身を投じようとする際には、忖度の応酬となる。因果への固執は偶然への嫌悪に基づいていて、能力は捕捉されるという確信に充溢している。 [review][投票(1)]
★4検察側の罪人(2018/日)“清和会”的センスを嫌悪するキムタクの書斎が何よりも悪趣味な設えなのである。正義の相互嵌入的な営みに言及する筋であるから一見して納得できる意図だが、参禅を始めとするキムタクの悪趣味について、作者が果たして自覚的なのかどうか。 [review][投票(2)]
★4散り椿(2018/日)岡田准一のナルシシズムが西島秀俊の年季の入ったそれに包摂され無毒化され、ふたりのナル合戦に巻き込まれた奥田瑛二と池松壮亮の渋面を享しむゆとりが出てくる。 [review][投票(1)]