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[コメント] レギオン(2010/米)

既存作品のツギハギだが、天使が銃撃戦や肉弾戦を繰り広げるバカげた世界観を真剣に追求する姿勢が嬉しい。普通は米映画の「背景」に透かし見えるキリスト教性が前面に出ている倒錯性。オリジナリティが無さそうでいて意外と独特の雰囲気を醸し出している。
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ターミネーター』のように、ごく平凡な娘の生むべき息子が人類の未来の指導者であること、その子を巡って熾烈な戦いが繰り広げられること。その闘いの場は、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のような閉鎖空間であること(ジョン・フォードの『許されざる者』のような西部劇でも似たようなシチュエーションはある)。『エクソシスト2』のイナゴの大群を思わせるハエの大群が空を曇らせ、『エクソシスト3』のように老婆が天井を這う。鎧姿の二人組の天使の一方が、下界の人間の暮らしに憧れていた、というのも『ベルリン 天使の詩』を想起させる。どこかで観たような場面の連続だが、軸にある、天使が物質感バリバリの戦闘を繰り広げるという突拍子の無さにホラーテイストが加わった妙な味わいがある。壮大な終末観と、砂漠のボロい店で展開する戦闘というギャップも良い。この作品のパクリ元に視点を反転させ、実はロメロのゾンビは天使の暗喩だったのでは、などと倒錯的なことを考えてしまったりも。

(評価:★3)

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