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[コメント] ナンバー23(2007/米)

「ここにも23!」の繰り返しの域を出ない。数に執着する人間の性や執念、数への強迫観念がいかに生活を侵していくか、等々のアイデアで魅せてほしい所。劇中の「哲学上の問題は、自殺するか否か、らしい」は、カミュの『シーシュポスの神話』からの引用?
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







特定の数字の反復のもたらす不安については、確かフロイトが『不気味なもの』で論じていた。不気味なものとは、全くの未知に直面する事ではなく、逆に、自分が無意識の内に知っているものが回帰してくる事である――というのがその論旨であったように記憶している。その好例がドッペルゲンガー、つまり自分の分身。これは、この映画の結末、実は記憶を無くしていた主人公自身が、全ての元凶であったという事とも符合している。別に、こんな能書きを付けたからといって、この映画が面白くなる訳でもないんですが・・・・・・。

筋の展開にせよ場面作りにせよ、どこかで見たようなものばかりであるし、特別、この映画を観るべき理由が何も見出せない内容。オープニングのシンプルなアイデアこそが、最も劇的に感じられたくらい。

何らかの出来事に関係していたり、或いは個人の好みだけでも、特定の数字が気になって、つい目についてしまう、という心理は日常でも割と多くの人が多少なりとも体験している事のように思うので、その辺の感情を巧くくすぐる仕掛けがあれば面白味も出た筈なのだが。

(評価:★2)

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