アメリカ的キッチュさを前面に押し出してみせるオープニング。冒頭のアメフト・シーンに降りしきる雨。その青みがかった暗い画面の中で輝く水飛沫。追い詰められた選手が、立ちはだかる相手選手に拳銃を向けるアクションの唐突さ。

そして終盤は再びアメフト会場に舞台を戻すのだが、試合用の照明や、ヘリのライト、巨大ディスプレイなど、闇の中での光の乱舞の末、事態を解決に導いたブルース・ウィリスが下手なギグを踊るシーンの多幸感。闖入者である彼の踊りがディスプレイに映し出されて観衆の歓声を浴びる倒錯性は、馬に乗って闖入したデイモン・ウェイアンズが選手からボールを取り上げて上院議員に投げつけるという、試合をぶち壊しにする点で間違った、だが事態の緊急性を鑑みれば真っ当なアクションの倒錯性と相俟って、試合の破壊によって却って会場を盛り上げるアクションの面白さを展開させGOOD。

ウィリスを射殺しようとしながらも彼の冗談に油断して反撃される男や、囚われの身のウィリスに一発殴られて死ぬ悪党など、ただのやられ役含め皆キャラが立っているのがまた良い。

カーチェイスシーンでウェイアンズが「飛ばすなよ、タイムスリップするぞ！」と叫んだギャグが、妙に気に入った。アクションシーンで事態が緊迫すればするほどギャグが可笑しく聞こえるのが、この映画の面白みの大きな部分だろう。