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[コメント] 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983/日)

さくらの全てを受け入れる覚悟。それぞれの家族の風景。
寿雀

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最後のシーンの柴又駅プラットフォーム向こう側。 ベランダに洗濯物を干す女。それを見つめる竹下景子。さくらはそれに気付き思考を遮断指せるように、竹下景子の前に入る。プラットフォーム向こうで騒ぐ子ども達。 寅さんと竹下景子は家族にはなれず、静かになったプラットフォームを去る寅さん。全てはさくらの謀。 遺産相続で喧嘩するヒロシの家族。妻に去られた子ども連れの職人家族。親子関係が上手くいかず、バツイチの竹下景子の家族。そしてさくらの家族。 寅さんだけは自由で誰を憎む事もなく想うままに生きて欲しいと願うさくら。寅さんだって、プラットフォーム向こう側にも(家族)今回は行けたはず。 だけどさくらは許さない。お兄ちゃんには家族をもつ覚悟をしてほしくないから・・・ お金がなくても、幸せなさくらの家族。さくらには全てを受け入れる覚悟があるからこそ。 揺れる洗濯物、小津安二郎の映画感じられる、それぞれの家族の風景。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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