まあ最上級のアニメーターが目白押しなのでアクションの出来がいいのは当たり前で。

そこんとこは楽しめたのです。超かっこよかった。

がしかしですね。

なんなんだこのドラマはと。

完結まえにあまり断定的にぐだぐだ文句を言うのはどうかと思いつつ、やはり文句いいます。

まずキャラクター。アスカが「あんたバカぁ？」を連呼したりとか、レイが自分の発した「ありがとう」を反芻する場面とか、率直に言ってキモかったです。

萌えがあること自体が駄目なんじゃなくて、見せ方としてあまりにも安すぎる。底が浅いように見えてしまう。萌えオタ舐めんなと言いたくなりました。

アスカの「それって好きってことじゃん！」とかもう最悪で、駄目ですよそれ言っちゃ。そういうのは言葉で出さずに描写で積み重ねるのがイイんでしょうが。何か一部始終がそんな感じで、心理描写を逐一台詞で言うのは個人的にはマイナス以外の何物でもなかったです。無駄に乳ゆれとかに枚数使う暇あったらそっちに使えやと。

各々のシーンの前向きになり方も何かおかしいというか、しっくり来ない。 リメイク前で色々やっちゃったせいで、正直な話、台詞だけで真っ当なことを語られても、全然説得力を感じられなかった。

ていうか、別にリメイク前で問題だったのはギスギスした人間関係だの子供に不理解な父親像だのを描写したことそのものではなかったはず。

そのあたりの人間関係を放置したままシンジ君が逃げ続け、最後の二人になっても相方の首を絞めるような幼稚な思考で終わったのがあかんかったわけで、そのあたりを一切なかったようにしてしまうのはどうよと。ケツの拭き方として甘いんちゃうかと思わずにはいられませんでした。

血反吐吐いて更正するくらいの展開でもないと説得力に欠けないか？

ドラマがお手軽なのはアクションにも悪影響を生み出していて、エヴァが損壊した時にパイロット感じる苦痛も、何か軽くなったような。逃げ出したくて辛くて痛くてどうしようもなくて、そんな絶望を背負っていた筈の痛みが、今回そうでなくなっていたような気がします。せいぜい悟空がかめはめ波を放つ前に敵に嬲られるレベル。

何かそこら辺りが積み重なって、結果的に「学園生活で女の子といちゃつきながら世界を守ったりとかしてみたい」とかいう、凄く底の浅い願望をお手軽にかなえる為だけの映画になってるような気がしました。

単体の映画としてならそれもいいのかもしれませんが、社会現象として一世を風靡し、数多くのフォロワーを生み出した作品のリメイクとしてその姿は果たして正しいのかと。不誠実で無責任なんではないかと思わざるを得ません。

そういえば、友人の一人が「エヴァは２０世紀最大の冗談」だとか言っていたのを思い出しました。曰く「よくできてはいるけど、この程度の出来のアニメなら探せば他にもたくさんあるし、それでいて殊更にエヴァが社会現象になっているのはもう皆が熱に踊らされていたとしか思えない」とか何とか。全く持って僕もその言葉に同意です。

でも背負った十字架はきちんとどうにかしろと思う。急＝Ｑとかダサいけど、完結編、本当に大丈夫なんだろか。

あとダサいといえば、いくらなんでも「翼をください」はダサすぎだろ。