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[コメント] 海の上のピアニスト(1998/伊)

ラストがどうこうよりも、この男のからっぽな人生に、何を託して何を伝えたかったのか、全くわからん。雰囲気はすてき。音楽のシーンも。でもそれだけ。
イライザー7

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







別にすべての映画が「人生」を描くべきだとは思わないが、せめて「人間」くらいは感じさせて欲しい。ここにあるのは単なるお話であって、監督がそう願ったような「伝説」ではないし「物語」ですらないと思う。

映画は(もしくは作り手は)、主人公に有名になってもらいたがっている。だが、彼が自分の人生に乗り出していって、すばらしいピアニストとして評価されたとしても、それだけでは「伝説」にならない。しかし、彼には何とかして伝説を全うしてもらいたい。彼に足止めを食わす。実人生に出て行かせない。

主人公が弱かったり、くじけたりするのはかまわない。でも、彼の足をタラップで止めたものは、彼の弱さではなく、作り手の「伝説」への意図から、としか思えない。彼の船の上のエピソードも、一人の生きている人間のエピソードのように立ち上がってはこない。と同時に、常人離れした天才のエピソードのようにも見えない。

1900君が、ただの狂言回しのように見えて仕方ない。映画で狂言回しの役を与えられている友達よりも、ずっと。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)あさのしんじ mize[*] peacefullife[*] kazby

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