コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] アヒルと鴨のコインロッカー(2006/日)

孤独って、ただ一人ぼっちってことだけじゃないよね。
イライザー7

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作を未読だったので思い切りだまされました。最初はシーナの新しい世界への軽い違和感や孤独を見ながら、ああこんなふうな(ちょっと暗い、ちょっと軽い)青春ねえ・・なんて気楽に見る。あたしも、大学に入ってひとり暮らしを始めたとき、あんな感じだったな・・・とかなんとか、のうちに、アレがわかって。

いやびっくりしました。

そうすると迫ってくる、ドルジの孤独。それはもちろん、シーナのやわい孤独なんか及びもつかない。ドルジは初対面のシーナを共犯にせざるを得ないぐらい、誰もいないんだ。しかもそれは最初っからのひとりぼっちじゃなくて、あれだけ美しいトライアングルが1度はあって、そしてそれを失ってしまったという、ホントにせつないひとりぼっちなんだから。いったいドルジはあのボイスレコーダーでどれだけの回数、どれだけの夜、二人の声を聞いただろうか。それはもうネイティブとしか思えない日本語に上達するぐらいに・・。

失われた青春。失われた友情。映画って「失われた」ものを描くにはふさわしい媒体だと思う。あの写真、あのジャケット、あのCD、小物ひとつひとつに意味。(まあ、意味がありすぎ、って気もするけど。)

でも、瑛太はすばらしい。松田龍平はすばらしすぎる。ケーハクで優しく、ハードボイルド。こんな友だちがいたら・・・そしてそれを失ったら・・・ああせつない。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (6 人)セント[*] カルヤ[*] sawa:38[*] おーい粗茶[*] IN4MATION[*] 直人[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。