『カジノ』のノリはどこへやら、どこか落ち着いた感じで進む。疾走感はない。暴れる余力がなくなったジジイ達（デニーロ、パチーノ、ペシ、カイテル、スコセッシ）達のいぶし銀な顔面の羅列が続きこりゃ3時間半耐えれるかなと心配になったが杞憂に終わった。女を絡ませず家族ドラマを排除した事によって贅肉がなくなり、長いながらも緊迫感に満ちた作品だった。特にホッファ殺害当日の流れなんて類を見ない緊張感。帰ってきてサングラスを渡されるシーンなんて鳥肌もんだ。ラストの少し空いたドアもやけに悲しい。

やはり特筆すべきはデニーロとパチーノでしょう。最初は同じテリトリーにいても顔が一緒に写らなくて焦らすなよ〜なんてウキウキしたもんだがやはりこの二人はスゴイね。存在感抜群！ペシはキレないので肩透かしだったけど（いつ胸もとからバカでかい包丁でてくるかハラハラした）、静かな怖さがあって良かったです。

ホッファの失踪は向こうではかなり知られたミステリーらしく、それをこんなキャストを揃えてスコセッシが撮るなんてファッキン嬉しかったですよ。劇場公開も一部であるという事で急いで観にいったらほぼ満席でさらに嬉しい。このジジイ達もまだまだいけるぜ。