[コメント] ボヘミアン・ラプソディ(2018/英=米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
クイーン結成の経緯と決裂、フレディの病魔、再結成&ライブ・エイドの流れで進んでいくが一体どこにドラマがあったろうか?最初から歌の才能があったフレディはとんとん拍子にデビューし、歌い、売れて、調子に乗りすぎて嫌われる…そこにフレディの苦悩が全く感じられない。いや、苦悩はしているように見えるが裏付けが無さすぎて感情移入が全然出来ない。例えば雨の中でクビ宣告をするシーンはフレディにとってかなり辛い決断だったと思うが2人の関係の深さを掘り下げてないため全く意味のないシーンになっている。
『ワルキューレ』の時に人が変わったようにクソ真面目に撮ってたシンガーの作品かと疑ってしまうほど演出が酷い、それを誤魔化すように歌を流すので中盤から嫌になってくる。
フレディがエイズを告げるシーンでようやくドラマが始まったと思ったら即ライブ・エイドでまたも誤魔化される。確かにライブのシーンは圧巻(全てを振り切ったように歌うラミ・マレック最大の見せ場!)だったが、誤魔化しへの疑念が邪魔して、レベルの高い再現VTRを観た感じだった。
まぁつまりだ。常に宙ぶらりんだったんだ。何を目的にクイーンの映画が製作されたのか見えない。この内容ならウィキペディアを読んで頭で想像するだけで事足りる。何を描きたい?何を見せたい?何を伝えたい?それが足りない。
ラミ・マレックは残念ながらフレディをやるには少し…だったが、24やザ・パシフィック(あ、ジョセフ・マゼロと地味に再共演してる!)の彼がここまでやりきったのは嬉しい。もうちょっとゲイっぽさが欲しかったけどね。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (7 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。