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[コメント] ザ・マスター(2012/米)

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の前半10分が無言なら、今回は前半10分下ネタのオンパレード。ほんと、やんちゃだねPTA。彼のファンじゃなければ、相当退屈な内容だろうな。一見さんお断り。92/100
たろ

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フレディ自身は戦争で心の傷を負ったわけでもない。事実、日本の降伏のラジオを聞いてもおかまいなしに盗みを働いているし、殺しに後悔は無いと断言してる。彼は戦争を生き延びたとしても人生の意味を見いだせずただ生きているだけの人間なのだ。ここで注目したいのが、彼が別に生き甲斐を探してたわけじゃない件だ。戦死しなかったフレディは興味の無い仕事をし、唯一好きな飲み物を飲んで、それが仇となった末にランカスターと出会った。そこでフレディは彼から人生について色々哲学を植えつけられる事になる。それがフレディにとって役に立ったかどうかは最後まで明かされず、終盤はむしろ妄想か現実かまで曖昧ときた。しかしながら、誰かとつながる喜びを知ったのも確か。何をしたいんだと思わせながらも実はテーマはキッチリ描いてる、PTAの手腕はため息もの。

演出も見逃せない。プロセシングが終わった後に記録した日付を1950年としてるが、これだけでフレディが戦後5年も放浪していた事実が初めて明かされる。いつコケるかハラハラする畑を全力疾走するシーンや、まばたきしまくるのに質問責めのプロセシングシーンは極上のスリラー。PTAは相変わらずウマいよ。エイミーアダムスにゴリゴリの下ネタ言わせるなんて変態そのもの。好きだぜ。

(評価:★5)

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