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[コメント] アメリカン・サイコ(2000/米)

ポップで皮肉な殺人鬼。非情でいて美しい映像美。映画はこうでなくっちゃ!
ゆうきマン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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映画は筋がすべてじゃない。テンポと映像美で充分に素晴らしい映画ができることもある(危険な作り方だけど。失敗したら『トータルリコール』みたいになるからね)。サイコを思わせるオープニングから、見事にエリートの優雅な昼食になるシーンだけでこの映画は見る価値があると思う。

スタイリッシュな映像は、一歩間違えると間抜けでしかない映像になってしまう。そこが難しいところである。しかし、この映画はそのスタイリッシュさをわざとギリギリ間抜けさに近づけることでスタイリッシュな映像美を極限にまで高めている。クリスチャン・ベールももちろん上手いけど、この監督、やるね。

先述したように、クリスチャン・ベールはこれ以上ないくらいのすばらしい演技をしている。いやに陽気で無駄のない動き、流れるように吐き出される台詞、そして特に前半のハイライト、ポール・アレンを殺すシーンでの彼の一挙一動は目を見張るものがあり、演技として最高のものを見せてくれている。無駄なく、美しく、そして僕らの失笑を買うのも忘れない。ディカプリオが降りた役だそうだが、ディカプリオにあの動きはできただろうか。

ヒューイ・ルイスをBGMに血しぶきが飛び散る(まるで金まで降ってきそうだ)、その独特のセンスと美しさに脱帽だ。

ラストが『メメント』とかぶりすぎているのが気になるところだけど。

(評価:★5)

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