終盤のリエちゃんの行動に納得がいかない人もいるかと思うが、私はリエちゃんは許せる。大事にしていた（古い方の）ルドルフが突然いなくなり、1年帰りを待ったうえでルドルフの兄弟を新しいルドルフとして迎え入れている。うたた寝で寝ぼけつつも猫の声がしたら手を伸ばすなんて、愛情深い飼い主だと思う。そもそも（古い方の）ルドルフは自分から勝手に出て行ったんだから、突然愛猫を失ったリエちゃんの悲しみは如何ばかりか。

それよりも身勝手なのはイッパイアッテナの飼い主。アメリカに引っ越す際、一緒に連れていけないのだったら貰い手を探すのが飼い主としての責任ではないか？捨てていくなんてそもそも猫を飼う資格すら無いんだよ。しかも、アメリカから戻ってきてイッパイアッテナの友達（野良猫たち）にもエサを与えている。この、飼うわけではないけどエサだけ与える無責任な行為ってのは一見優しい行動に見えるけど、昔ならともかく現代では本当は好ましくない。

猫を主役に描した映画でこうした無責任行動をほのぼのエピソードとして描くのは致命的だと思う。