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[コメント] あやしい彼女(2016/日)

細かな欠点は多いのだけれど、それを覆い隠すほどの長所に満ちた、日本製ウッディ・アレン映画若干オースティン・パワーズ風味(ビジュアル面だけですが)といったおもむきの、笑って泣けるウェルメイドな音楽コメディでした。
ロープブレーク

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導入部分の演出がとっちらかり気味で最初は期待できない感じでしたが、多部未華子の振り切った熱演・熱唱と、隣家のルノー・キャトルや孫の机の上に置かれたクルーグマンのミクロ経済学教科書などの画面の端にさりげなく主張する小物類、小林武史アレンジが素晴らしい60年代ヒット曲、おばさんファッションからオールディーズまで色鮮やかに目を楽しませてくれる多部ちゃんファッションと、五感で楽しめるいい映画でした。助演の俳優陣もさすがの名演で満足度高し。

細かな欠点としては、回収しきれていないエピソードが散見すること。振り込め詐欺のくだりとかいらない(未遂にしておいた方が変身後の消費の話しが活きるはず)。それと最後輸血後のカツの髪型。もとに戻しちゃダメじゃん。カツはルックスは戻ったけどただ戻っただけじゃないというメッセージを込めるには髪型はよいアイコンなのに。総じて倍賞美津子を使いこなせていない感があってもったいない。あとは、オーディションで要潤に黙殺される女子二人組がそれほど悪くなくて要潤の多部推しの説得力が毀損されてる。誰かのカメオ出演とかだと締まるのに。

でも、そういったマイナス面を多部未華子の熱量が上回ってるのもこの映画の魅力になっちゃってるんですよね。

(評価:★4)

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