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[コメント] マイ・バック・ページ(2011/日)

川本三郎の自伝が原作のこの映画であるが、自伝であるにもかかわらず、そこから私が得たメッセージは『アリゾナ・ドリーム』と同じものであった…。
ロープブレーク

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本物の偽物の人生を生きる人物がいる。そいつの見る夢は明らかに偽物なのだが、そいつは純度100%の偽物であるが故に、偽物としては100%本物だ。沢田のように理想を高く持つのはいい。だが、理想に照らし合わせれば現実の生は不純である。不純を否定すれば、純粋なるものに惹かれていくのは道理である。かくして沢田は梅山を信じてしまう。しかし人は他人の夢を見ることはできない。沢田の破滅は必然である。泣き崩れた沢田の先に、川本三郎氏の存在がある。 映画としては、平田オリザの演劇「革命日記」を彷彿とさせたが、両作ともに小生の人生とは平行線。あっしとは関係のない人生でやんした。同情する気にはならんというか。登場人物の誰にも感情移入出来ないのでいまいち消化不良感が残る。その意味では小生にとっては『アリゾナドリーム』一作で十分であった。 (2011.6.20 シネ・リーブル池袋にて鑑賞)

(評価:★3)

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