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ツベルクリンさんのコメント: 投票数順

★4グッバイ、レーニン!(2003/独)母が信じたものは、体制としては崩壊しても、息子には伝わっていた。国はすっかり変わっても、小さな関係の間ではしっかりと守られたものがある。そこがとても感動的だ。笑わせながらも、「大切なものとは何か」という愚直な問いを実は断固として問うている。 [review][投票(12)]
★4愛、アムール(2012/仏=独=オーストリア)開かれたものと、閉じられたものの話。「窓」や「ドア」の使い方によく表れている。ほとんどは閉じられている。だからこその「愛」なんだけれども……実はとても個人的、閉鎖的なのが「愛」なのだ。誰にでも分かる「愛」なんて嘘だ。 [review][投票(8)]
★1アメリ(2001/仏)途中で映画館を出ようと思った映画は久しぶり。評判を聞いて見に行ったのにまったく期待外れ。どこまでも自己満足の痛い女にうるさいナレーション。でも「共感」してしまう人が大勢いるという事実がただただ寒い。[投票(6)]
★3ノルウェイの森(2010/日)そんなに悪く無いです。すば抜けて良くもないですが。冒頭のチャカチャカ感は長くなりすぎて削ったため?大部分は菊地凛子の力で持っている感じ。「生であるところの性」と「死」の対比もまずまず。物語を語ろうとした映画ではないので、その点は注意ですね。 [review][投票(5)]
★4グラン・トリノ(2008/米)アメリカ的価値観(古臭いマッチョで、警察気取りで他者に介入して逆に事態を混乱させる)を体現するグラン・トリノ=老人が、最後にそこから抜け出して、「考えた」ところがこの映画の真骨頂だろう。 [review][投票(5)]
★3崖の上のポニョ(2008/日)海底や津波の映像表現は本当に素晴らしい。しかし〈物語〉、つまり出来事の因果関係が希薄すぎる。何より、ポニョが宗介を好く理由も、実際にそんなに強く激しく「好き」なのかどうかも、分からない。そんな曖昧な「好き」で世界を危機に陥れるなよと思う。 [review][投票(5)]
★4光の雨(2001/日)二重構造にしたのは客観性を持たせるためというよりあまりに遠すぎる「連合赤軍」の時間と現在とを若者たちを挟んで少しでも埋めるためと理解した。それくらい、私には自分と断絶しているように感じられた彼らの「総括」マニアぶり、ただ→ [review][投票(5)]
★2御法度(1999/日)公開後に「同性愛者なんて理解できないし認めてもいない」とうそぶいていた松田龍平。なぜか同性愛を描けると思っている大島の勘違いだけでなく、そんな松田の父とは似ても似つかぬ役者根性のなさも、この作品の駄目さの一端を担っているのかも知れない。[投票(5)]
★4戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド)「頑張って生き抜こう」でも「誰かを助けよう」でもない。空腹に耐えつつ浅ましく逃げ回る事しかできないが、生き残った者の大半は同じはず。何も達成しないし、救われない。戦争の真の悲惨さの一部分。数々のヒロイズム映画への静かだが強烈なアンチテーゼ。 [review][投票(5)]
★4仁義なき戦い(1973/日)オープニング、広島の原爆のきのこ雲に赤い字のタイトルが重なる。これも、裏社会から描いた紛れもない戦後史。単なるヤクザ映画として済ませられない。菅原文太の鋭い目と存在感は忘れられない。[投票(5)]
★3借りぐらしのアリエッティ(2010/日)ジブリ、またもクライマックスのない話。少年の人物が掘り下げられないので、ラストシーンにまったく説得力がない。要するに「物語」がないのだ。小人を日本に住まわせたことで生じる様々な違和感もそのまま残っている。ただ、演出と絵は一級品。 [review][投票(4)]
★4エレファント(2003/米)確かにあの事件を知ってるから・この後どうなるか分かってるから・瞠目して見ていられる映画なのかも知れない。しかし、終映後に彼ら一人一人の面影が浮かんで、こんなに痛いほど切なく哀しくなる映画も稀だ。正義や悪ではない何かが、刻み付けられる。 [review][投票(4)]
★4たそがれ清兵衛(2002/日)傑作だとは思わない。しかし、武士、といっても貧しい下級武士の生き様を、卑下するでも英雄化するでもなく、淡々と描く点に好感。生活に押し潰されそうでも懸命に生きる人の姿を見る、製作者の視点の深さと優しさが滲み出ている。宮沢りえは素晴らしかった。[投票(4)]
★2竜とそばかすの姫(2021/日)「仮想現実」から「現実」に踏み出そうとして大失敗。現実に存在する社会問題を唖然とするほど安易に扱うという形の傲慢さだけが印象に残る作品となりました。 [review][投票(3)]
★2アナと雪の女王(2013/米)音楽を優先した結果とはいえ、ストーリーの破綻ぶりはこのところのディズニーの良作に比しても大変に残念だと思う。だいたい、姉のほうの問題があれで終わりとは…… [review][投票(3)]
★4ダークナイト ライジング(2012/米=英)面白かったです。「インセプション」や「ダークナイト」レベルとは言いませんけど。だがしかし→ [review][投票(3)]
★3告白(2010/日)監督の方法論は非常によく効果を上げていたと思う。ブラックなユーモアが随所にあって、私は(迷惑にならない程度に)声を立てて笑ったのだが、他の観客はシーンとしていた。もっと笑おうよ。ただねぇ。リアルな現実の10歩くらい後ろを描いた映画です。 [review][投票(3)]
★4雨月物語(1953/日)冒頭に出るように雨月物語を現代的に描いたのだ。もちろん当時の現代とは敗戦から数年しか経っていない時期。戦争が人の心を狂わす、ありもしない幻想を見せる、このメッセージはさぞリアルだったろう。それを踏まえなければ本来分からない映画だと思う。[投票(3)]
★3アビエイター(2004/米=日=独)名人の寄り道とでもいうのか。観客の興味をつないでいくだけの展開。敢えて言う、スコセッシにならこれくらいの作品はつくれて当然。濃厚な人間も、人間関係も、何もない。ただ体よくまとめただけの作品にはやはり感動もない。もっと本気の映画が見たいのだ。[投票(3)]
★3ソウ SAW(2004/米)ライト一つつけるにも大げさな効果音。回ったり早回ししたり、そういう演出が正直鬱陶しくもあった。家族の描写などは実は非常に月並・通俗的なのだが、それは鑑賞後に冷静になってから思いつくこと。とにかくパワーだけはあった。疲れるほど。[投票(3)]