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[コメント] ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002/米)

よくできているとは思うが、大きな謎が残ってしまい、ミステリーとしては欠陥品と言えるのではないか。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本筋の方は、大体の謎は解き明かされたし、それなりにハラハラできたので良い映画とは思うが、どうにもわからないことがある。

それは、なぜハリーの窮地にはあそこまで都合よく「助け」がやってくるのか?ということだ。

最後の蛇との闘いでは、不死鳥や魔法の帽子(あれを見ると「ドロロン閻魔くん」のシャッポーを思い出すなあ)が唐突に助けにやってきた。これも相当不思議だが、ヴォルデモートという宿命の敵との対決でもあるのだから、ハリーに対して「宿命の敵」と戦う際に力を貸すような、不思議な力が働いている、と今後の謎解きで明かされる秘密があるかも、とまだ理解できる。あるいは両方とも偉大なる魔法使いであるランブルなんとか校長の小道具だから、偉大な魔法使いらしくハリーの窮地を密かに救ってやったのかなあ、とは思えるかも知れない。

どうにも理解できないのが、無数のクモに襲われている時にいきなり空飛ぶ車が助けに来たことだ。

少なくともあのクモたちの親玉は、あのドでかい人のペットであり、ハリーに対しても重要なアドバイスというかヒントを与えているのだから、基本的には味方に属するといえるのだろう。だから親玉はハリーたちを襲わない。しかし、飢えた子分どもを制止する義理はハリーたちにはないから、子分が襲うのをほっておいた。だからこのケースは、先の「宿命の敵」がらみで発動する、ハリーを守る「謎の力」とは言えないだろう。もしそうなら、無条件にハリーを守っていることになって、そこまで絶対的な防御があっては面白くもなんともない。

それともこれも、ハリーの危機を察知したランブルなんとか校長の指がねだろうか。しかし助けに現われた車は校長のものではなく、ロンの親のものであるから、やや整合性を欠いている。それにいくらなんでも、そんなところまでハリーの行動を監視して危機を察知しているとしたら、えこひいきを通り越して、ストーカーと言われそうだ。また、そこまでできるのなら、もう「偉大なる魔法使い」どころか「全智にして全能の神」になってしまう。

もしかしたら、原作ではこの謎も明らかにされているのかもしれないが、見終わっても釈然としないものが残ったのは確かだ。(そういう水準の映画だった、ということかもしれないが)

(評価:★3)

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